調布陥没で新証言「砂が噴き出たような跡」 液状化が起きた証しか

2020年12月10日 08時52分
 東京外かく環状道路(東京外環道)のトンネル工事ルート上にある東京都調布市の住宅街で市道が陥没し、地下に空洞が見つかった問題で、現場から東に40メートルほど離れた住宅街でも数軒で亀裂などができていたことが分かった。
 亀裂などができたのは、陥没や空洞の生じた現場の脇を流れる入間川を挟んだ東側で、調布市若葉町の住宅街。
 住民らによると、地下47メートルでシールドマシンによる掘削が進んでいた9月中旬ごろから、数棟で振動が出始め、ガレージがゆがんでシャッターが閉まらなくなったり、外階段に数メートルの大きな亀裂ができたりした家もあったという。

◆玄関のコンクリートに亀裂

 元大学講師の女性宅ではブロック塀やコンクリートなど数10カ所に亀裂が入った。女性や家族は同時期、自宅前の市道上のマンホールのふたや側溝の周囲に砂が噴き出たような跡を見たという。

トンネル工事の際に亀裂が入り、隙間が広がりつつある女性宅の玄関ドア下のコンクリート=東京都調布市で

 周辺の地理に詳しい元高校教諭(自然地理学)の早川芳夫さんは「一帯は1960年代に緩やかな谷に広がる田んぼを埋め立てた造成地で、地盤が軟弱」と説明する。
 現場を視察した日本大の鎌尾彰司准教授(地盤工学)は「トンネルルート上の住宅被害よりも家屋のひび割れや変形が深刻だ。工事の振動で局所的な液状化現象が発生した可能性も考えられる」と指摘した。
 「液状化は普通、震度5以上の地震でないと起きない」としつつ「連日のトンネル工事の振動が地表近くの軟弱地盤で増幅され、地下水圧の上昇により砂の粒と粒のかみ合わせが外れ、液状化したのではないか」と語った。砂の目撃証言については、液状化の際、地盤の亀裂から地中の水と砂が噴き出る噴砂現象の可能性に言及した。 

◆NEXCO側の反応は

 トンネル工事を進める東日本高速道路(NEXCO東日本)の関東支社広報課は「液状化の発生は現時点で把握していないが、あらゆる可能性を含めて地下のトンネル工事と陥没や空洞との因果関係を探るための原因調査をしている」と話した。(花井勝規)

関連キーワード

PR情報

社会の新着

記事一覧