<新・笑門来福 桂雀々>オンライン落語 お客さんの喝采を夢見つつ

2020年5月8日 02時00分

高座に上がる喜びをかみしめつつ全力投球したオンライン落語です

 やはり、そうか。と、諦めにも似た失望のため息をひとつ長く吐く僕でした。
 緊急事態宣言が延長されました。予想はしていましたが、コロナ禍の出口はどこなんやろう。いつになったら高座ができるんやろ。と、根っから能天気な僕でさえ少し焦りを感じます。無職状態が延々続く? いやいや、食っていかれへん。ならばいっそ職替えをするか、と、うんうん考えてみてもやっぱり落語家以外、できそうな商売はないなという結論に至ります。
 それならば落語をするしかない。最近では若手やベテランもオンライン落語を始めているそうですが、遅まきながら僕も挑戦してみることにしました。まずは手探りで恐るおそる…。この方法がいいのか否かは別として、やっぱり高座に上がるのはいいもんです。落語ができる、それだけで気分も上々。
 多分、僕も含めオンラインで落語配信をすること自体、抵抗を持つ人も多いんじゃないかと思います。けど、よくよく考えてみたら落語家が落語をしゃべるのは当たり前。その落語を忘れるほうが怖い。いやそれ以上にお客さんが落語という存在すら忘れてしまったらどうしようというのが怖い。今まで毎回のように来てくれはったお客さんが高座に来られない。最初は戸惑いもあるが、この状態が続くと、あれ、落語行かなくても平気だわ。という、人々の中に不要不急の認識をされてしまうのが恐ろしいわけです。落語しかできんのやったら、どんな方法でもアウトプットしていかなあかんやろうと腰を上げることにしました。
 コロナ禍の終息は、人類皆の望みだけど、この有事をきっかけに学校の在り方、企業の働き方、俳優や音楽家、われわれのような落語家も含め表現者はその表現方法が少し違ってくるのかもしれません。これも時代の変化。
 本当はライブでお客さんが笑って泣いて、大きな拍手をもらうのが最高の幸せですが今はお預けです。それを夢見ての我慢期間ですね。
 さて、季節は夏へと移り変わってきます。昨今では、食べることしか楽しみがないですが、少々腹回りが心配です。夏の服を着こなせるよう、さてさて、ご飯も八分目で我慢がまん。皆さまも体調管理にはお気をつけて。

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