「有意義な期間と思えるよう」 公演続々中止に幸四郎

2020年5月8日 02時00分
 東京・歌舞伎座を中心に毎月、上演されてきた歌舞伎。2月下旬、新型コロナウイルス感染防止のため政府が文化イベント自粛を要請して以降、公演は続々と中止となった。異例の事態に松本幸四郎(こうしろう)=写真=は「意味があった期間だったと先々思えるように、将来、そして今、何をどうできるのかを考えながら、日々過ごしています」と話す。
 出演を予定していた3月歌舞伎座の「三月大歌舞伎」、4月の香川県での「四国こんぴら歌舞伎大芝居」は中止、5、7月に出演予定だった歌舞伎座「十三代目市川團十郎白猿(だんじゅうろうはくえん)襲名披露」は延期となった。「残念ですが、致し方ないです」
 そんな中、松竹は「三月大歌舞伎」の舞台を無観客のまま上演して映像に収め、無料配信に踏み切った。幸四郎は中止前、3月に名作「沼津」の十兵衛などを演じることに強い意欲を抱いていただけに「お客さまがいないとはいえ、歌舞伎座の舞台で演じられたのは正直ありがたかった」。
 日本芸術院賞受賞といううれしい知らせも3月、発表された。近年の活躍が授賞理由で「認めていただいて幸せ。歌舞伎のためにもっと尽力しなくては」と力を込める。
 自宅で、これまで演じてきた舞台の台本、資料、ビデオなどの整理に取り組む日々。「この芝居、また演じたいなと思うと、ついつい読み込んでしまう。片付けがはかどらないことも…」と笑う。「豊かな時代の娯楽としてだけでなく、そもそも生きるためにエンターテインメントは必要だと考えます。歌舞伎もその一つとして存在し続けたいと今、改めて思っています」

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