協同労働って? 働く人が出資、話し合い地域を支え合う<Q&A>

2020年12月12日 05時55分
 働く人が自ら出資し、運営に意見を反映させられる「協同労働」。今回の法整備で設立できるようになった労働者協同組合(労働者協組)の下で、具体的にどのような働き方が可能になるのでしょうか。(新開浩、石川智規)

◆企業組合とNPOのいいとこ取り

  労働者協組ってどんなイメージなの。
  地域に根ざした必要な事業を継続させるため、そこで暮らす人たちがお金を出し合い、運営の受け皿になるケースが考えられます。
  例えば?
  複数の農家が出資し、野菜の即売会を定期的に開催するための運営母体を立ち上げたり、林業関係者らが協力して荒れた山林を手入れし、林業の復活を担う主体となることなどが想定されます。介護、子育てなどの地域福祉や、生活困窮者に食料を提供するフードバンクの活動を担う場合もありそうです。
  現状では同じことはできないの。
  労働者協組と似た組織に企業組合やNPO法人があります。企業組合は組合員による出資と運営はできますが、設立に都道府県知事の認可が必要です。NPO法人は働く人の出資が認められず、事業も福祉や観光振興など20分野に限られます。これに対し労働者協組はより簡易に設立でき、幅広い事業を手掛けられます。

◆組合員の声を大切に

  労働者協組の組合員には、会社の上司と部下のような上下関係はないの。
  法律は、労働者協組に理事などの役員を置くよう定める一方、組合員の「それぞれの意見を反映して」事業を行うことを義務づけています。働く人の意見に耳を傾ける運営ルールとすることで、地域のニーズが正確に吸い上げられる効果が期待されます。
  課題はないの。
  事業を採算ベースに乗せられるかどうかが重要な課題です。法律は公布後、2年以内に施行されます。事業を長続きさせるには事前の十分な準備が必要です。

◆やりがいに頼ってブラックにならないために

  低賃金労働の心配はないのかな。
  そうした事態を防ぐため、労働者協組と組合員は、労働契約を結ぶことが義務付けられています。これは最低賃金の確保を念頭に置いています。
 労働問題に詳しい嶋崎量弁護士は「労働基準法などの法律を順守することが重要。労働者のやりがいや自主性を隠れみのに、特定の人が最低賃金以下で働かされるなどの悪用がないようにすることが求められる」と指摘しています。

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