花緑、発達障害の経験を本に 悩む人たちを勇気づけたい

2020年5月1日 02時00分
 読み書きに困難が伴う発達障害、ディスレクシア(読字・書字障害)を公表している落語家の柳家花緑が、新著「僕が手にいれた発達障害という止まり木」で自身の経験をつづった。
 発達障害に悩む人を一人でも多く勇気づけたいとの願いから執筆したという。花緑は「(この障害を)全く知らない方にも、ぜひお読みいただきたい」と話す。
 周囲との違いに戸惑いを覚えながら過ごした幼少期から、障害と付き合いながら人気落語家として前向きに生きる姿が、軽妙な筆致で展開される。
 五代目小さんを祖父に持ち、15歳で入門。花緑は、師匠からの「口づて」やカセットテープではなしを覚えたため、自らの障害を長らく自覚できなかった。はっきりと気付いたのは、40歳を過ぎてからのことだ。
 その時の心境を花緑は「精神的にものすごくラクになりました」と記す。それまでは生きづらさを抱えていたが、障害のせいと知り、安堵(あんど)したという。
 同じ障害で苦しむ人に対して「自分自身を受け入れ、『悪いのは自分じゃない』という発想になることが大切」と説く。2017年に障害を世間に公表してからはさらに気が楽になり、「やっと止まり木を得た」と感じられるようになった。
 発達障害への理解を深めてもらうため、専門医や、自閉症スペクトラムなどの診断を受けた弟子らとの対談も盛り込んだ。
 「他人の力も借りながら、楽しく生きてほしい。本書を通じて、そのお手伝いができたらいいと思っています」
 幻冬舎刊、1320円。

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