足立区の男性、生活保護廃止 支援団体が再発防止を要請 区は年度内に検証委設置へ

2020年12月12日 07時13分

長谷川副区長(右から3人目)に要請書を提出する支援団体関係者ら=足立区で

 生活保護の利用が決まっていたアフリカ出身の日本国籍男性が失踪したとして、足立区が生活保護を廃止した問題で、生活困窮者の支援団体が十一日、近藤弥生区長に再発防止を求める要請書を提出した。区はこの問題で、検証委員会を設ける方針。 (砂上麻子、中村真暁)
 連名で提出したのは、「足立生活と健康を守る会」と「新型コロナ災害緊急アクション」。
 要請書は「どうしてこのような問題が生じているのか、福祉事務所長が強固に廃止を取り消さなかったのはどうしてなのか。そのことが問われている」と指摘。検証委員会の設置を求めており、区役所で長谷川勝美副区長が受け取った。
 区によると、学識経験者など五〜六人からなる検証委員会を年度内に設置する。問題が起きた経緯のほか、区の再発防止策についても検証する。
 この問題を巡っては、区は先月、男性の保護廃止を取り消し、男性に謝罪した。
 要請書には、家庭内暴力(DV)の被害を受けた女性が離婚の意思を固め、足立区に生活保護の利用を相談した際、問題ある対応を受けた、などという訴えも盛り込まれている。
 DV被害者を支援する一般社団法人「エープラス」(豊島区)には複数人から足立区の対応について同様の訴えが寄せられているといい、当事者の許可が得られた事例五件を要請書で取り上げた。
 こうした問題について長谷川副区長は取材に「現場に確認して、問題があるなら改善しないといけない」と話した。
 被害者が区へ生活保護を相談する際に同行してきたエープラス代表理事の吉祥真佐緒(よしざきまさお)さん(51)は「被害者は経済的な理由で自宅を出られないことが多いが、安全な場所へ逃げるときに生活保護は利用しやすい」と指摘する。しかし、こうした対応がなされれば「二度と利用したくない」と制度から離れ、加害者の元に戻ってしまう人もいるという。
 吉祥さんは「DV被害者は自尊心を踏みにじられ、自己肯定感が低くなっている。当事者をねぎらい、その決断を尊重してもらいたい」と話している。

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