大先輩との共演 民謡に原点回帰 津軽三味線・上妻宏光が20周年新譜

2020年4月3日 02時00分

アルバム「TSUGARU」を出した上妻宏光=東京都港区で

 津軽三味線奏者の上妻(あがつま)宏光(46)がソロデビュー二十周年記念アルバム「TSUGARU」を発表した。津軽民謡や三味線の重鎮を迎え、津軽五大民謡など全八曲を収録。民謡に原点回帰した作品が完成した。
 「津軽三味線は津軽民謡の伴奏楽器として発展してきました。今までいろいろ挑戦してきましたが、伴奏者としての僕の姿を知らない人もいるのでは」と、原点回帰への意図を話す。
 歌の伴奏ができて初めて一人前と認められる民謡界で、「節目を迎えた今のタイミングで憧れの先輩たちに共演をお願いさせて頂いた」。その願いが収録曲の「津軽じょんから節(中節(なかふし))」で実現した。
 青森県で津軽民謡歌手として活動している長谷川勝枝(74)と、太鼓に二代目成田雲竹女(うんちくじょ)(66)を迎え、上妻は脇役として中節独特のゆったりとした伴奏を聴かせた。
 「昔ながらのスタイルで歌われる勝枝さんの歌に(伴奏を)つけるのは難しかった。本当に力を試される録音だった」と振り返る。
 また、上妻が子供時代から津軽三味線奏者としてテレビでも見ていた澤田勝秋(75)と「津軽じょんから節(旧節~中節~新節)」で初共演。「子供の頃から憧れていた大先輩との競演は、お互いに火がつきました。二人にしかわからないバトル感を味わってほしい」
 さらに「南風-HAIYA-」では、三味線の本條秀太郎(74)とも初共演。太棹(ふとざお)と細棹(ほそざお)の異なる三味線で繊細な演奏を聴かせる。
 「新型コロナウイルスの感染拡大で、多くの人が先が見えない大変厳しい現状。でも古典のアルバムとして、光を感じる僕の代表作に仕上がりました」と胸を張る。 (小林泰介)

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