<新・笑門来福 春野恵子>今だからチャレンジ! 落語家も「テレワーク」

2020年3月27日 02時00分

「人ンち落語会」に励む桂紋四郎君。どこでも高座になります

 大変な状況になっている。何度も公演に訪れたイタリアや米ニューヨークでも感染拡大。ピアニストの友人は演奏のために乗ったカリブ海クルーズ船内に感染者が出て、受け入れ国が見つからず、漂流状態を余儀なくされた。姉家族が住む英国では罰則を伴う外出制限命令が出た。みな無事に過ごしているだろうか、食事は十分に取れているのだろうか、気持ちは落ち込んでいないだろうか。連絡を取り合い、励まし合っている。
 私も二月末からの舞台が軒並みキャンセル。メディアの仕事以外の収入が激減。一体どのくらいの損害になるか、この状況でいつまで耐えられるか、非常に不安である。
 そんな中、この状況をはね返すように、新たなチャレンジをしている上方演芸界の後輩たちがいる。いち早くYouTubeで「テレワーク落語会」を始めたのが桂紋四郎君。着々とチャンネル登録者数を増やし、「人ンち落語会」なる新企画も立ち上げている。そうした動きに刺激を受け、上方落語協会もYouTube生配信をスタート、繁昌亭チャンネル、米朝事務所YouTubeなどに広がりを見せている。上方講談界でも此花(このはな)千鳥亭を舞台にさまざまな動きがあるようだ。転んでもただでは起きない面々。力強いことこの上なし。
 ワクチンの開発には時間がかかるし、日本の感染ピークがいつになるかは分からない。しかし、どうしたら感染を防げるかは一定程度分かっていて(換気、密集や近距離での会話を避けるという条件が専門家会議から発表されている)、皆の共通認識として根付いてきている。その前提のもとに、新学期からの学校再開という決断もなされたと聞いた。
 日々刻々と状況が変わる中で軽々しくは言えないが、しっかりと対策(検温、消毒、換気、予約人数を減らすことで席の間隔を空ける、マスクの着用の徹底等)をした上で、小規模な公演については再開検討も可能と思う。
 現状は、非常に曖昧な「自粛」の「要請」。そうではなく具体的な指針を。また要請に協力して収入を失っているフリーランスへの支援の充実も早急に。今月の家賃の支払いにも困る若手が大勢いるという現実。このままでは確実に日本の大切な文化が損なわれていく。どうか、有事に頼れる国であってほしい。

「テレワーク落語会」に参加し、天満天神繁昌亭前でポーズを取る紋四郎君(左から3人目)ら若手落語家たち=大阪市で

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