75歳以上「年収200万円以上」2割負担 不妊治療の保険適用も拡大<社会保障検討会議>

2020年12月15日 05時50分
 政府は14日、全世代型社会保障検討会議を首相官邸で開き、社会保障制度改革の方針についての最終報告をまとめた。少子高齢化が進む中、世代間の給付と負担の公平性を高めるとして、75歳以上の医療費の窓口負担を「年金収入モデル」で年間200万円以上(単身世帯)の人を対象に2割へ引き上げるほか、現役世代向けに2022年度からの不妊治療の保険適用拡大などを明記した。15日に閣議決定し、来年1月召集の通常国会に関連法案を提出する。(坂田奈央)

首相官邸で開かれた全世代型社会保障検討会議

◆来年1月から不妊治療助成の所得制限を撤廃

 議長の菅義偉首相は会議で「現役世代の負担上昇を抑えながら、全ての世代が安心できる社会保障制度を構築し、次の世代に引き継いでいく」と表明。能力に応じて制度の支え手を増やすとともに、少子化対策を進める姿勢を強調した。
 最終報告では、不妊治療の保険適用を実施するまでの対応として、来年1月から現行の助成制度の所得制限を撤廃し、2回目以降の助成額も30万円に引き上げる拡充策を示した。不育症の検査やがん治療に伴う不妊を支援する新たな取り組み、治療と仕事の両立に向けて必要な措置を講じることも盛り込んだ。

◆「男性版産休制度」つくり少子化対策

 少子化対策としては、男性が子の出生直後に育児休業を取りやすくする「男性版産休制度」を創設。児童手当の高所得世帯向け給付の一部廃止による財源などを活用し、24年度末までに14万人分の保育の受け皿を整備する待機児童解消策も掲げた。
 人口の多い「団塊の世代」が75歳になり始める22年以降は、医療や年金など社会保障費の急増が見込まれる。一方、現役世代は出産や育児に関しても経済的な負担が大きい。こうした状況を受け、政府は高齢者への手厚い給付を見直し、制度の支え手の負担軽減を図る方向に転換した。

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