「りゅうぐうの砂」か、はやぶさ2カプセル内に黒い粒 JAXA発表

2020年12月14日 21時28分

「はやぶさ2」のカプセルに納められていた試料コンテナの底で見つかった黒い粒子状の物質(右、JAXA提供)

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は14日、小惑星探査機「はやぶさ2」がオーストラリアに投下したカプセルの中から、黒い砂粒が見つかったと発表した。カプセル内の試料容器は正しく密閉されていたため、黒い砂粒は小惑星「りゅうぐう」で採取した岩石試料と考えられるという。(増井のぞみ)

◆試料コンテナのふたに付着、中も期待大?

 はやぶさ2は、5日に地球から高度約22万キロでカプセルを分離した後、別の小惑星の探査へ出発した。カプセルは6日、オーストラリア南部に着地した。JAXAが回収し、7日にカプセル内のガスを回収。8日に相模原市のJAXA相模原キャンパスの試料分析施設に運び込んだ。
 JAXAは8日以降、カプセルの洗浄や分解などをして、試料容器を真空環境下で分析する装置に接続した。容器は二重構造になっており、14日に底面にある入り口を開くと、試料を収める部屋のふたに黒い砂粒が付いているのが見つかった。試料を収める2部屋はまだ開けておらず「本命はこれから」という。
 りゅうぐうは、46億年前に太陽系が誕生した頃の有機物や水を豊富に含む小惑星と考えられている。もし有機物や水が見つかれば、小惑星が地球に生命の材料や水を運んだのかどうか検証できる。年明け以降には、重量のほか、有機物や水があるか分かる見込みという。

◆「観測との答え合わせ楽しみ」


オーストラリアの砂漠で回収される「はやぶさ2」のカプセル=6日(JAXA提供)

 黒い砂粒の科学的な分析はこれからとなるが、小惑星「りゅうぐう」で採取した岩石試料とみられる。はやぶさ2に関わる研究者からは「生命の起源が探れる」と砂粒の分析に期待する声が上がった。
 りゅうぐうの試料のうちアミノ酸などの有機物の初期分析を担当する奈良岡浩・九州大教授(有機宇宙地球化学)は「試料は入っていると思っていた」とホッとした様子で話した。「分析のため、有機物が1ミリグラム以上あるとうれしい。生物の体に使われているアミノ酸などがあるかないかを調べたい」と抱負を語った。
 りゅうぐうに水が存在するかどうかを調べる北里宏平・会津大准教授(惑星科学)は「既に観測により、水の成分がわずかに存在した。岩石試料の分析と比較し、宇宙と地上の答え合わせができるのが楽しみ」と声を弾ませた。
 さらに、水をつくる水素や酸素が地球と同じか調べる分析に対し「小惑星が地球に水を運んできたか、運んできたならどのくらいの量なのか検証できる。水の起源を探ることは、水が欠かせない生命の起源にもつながる」と期待を寄せた。

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