「犯罪史上まれにみる悪質な犯行」 白石被告に死刑判決 座間9人殺害

2020年12月15日 22時12分

白石隆浩被告

 神奈川県座間市で2017年に男女9人が殺害された事件で、強盗強制性交殺人罪などに問われた無職白石隆浩被告(30)の裁判員裁判の判決が15日、東京地裁立川支部であり、矢野直邦裁判長は「狡猾、卑劣で自己の欲望のみを目的とし、人命軽視の態度は甚だしい。犯罪史上まれにみる悪質な犯行」と、求刑通り死刑を言い渡した。(沢田千秋)

◆完全な責任能力を認める

 殺害行為に被害者の承諾があったかが最大の争点。判決理由で矢野裁判長は「被害者は予告や前触れもなく突然背後から襲われ、想定からかけ離れた形で殺害されることに、黙示の承諾をしていたとみる余地はない」と判断。白石被告の責任能力について「犯行は一貫して合目的的で、何らかの精神障害の影響があった疑いが生じる事情はない」と完全責任能力を認めた。
 被告は承諾を否定し、死刑でも控訴しない意向を示した。一方、弁護側は「被害者は被告によって死の実現が行われることを想定していた」と、承諾殺人罪が成立すると主張。判決を受け「被告の意向が第一だが、弁護団は控訴を検討する」としている。

◆「SNS普及の社会に衝撃や不安」

 事件ではツイッターに自殺願望を書き込むなどした若者が狙われた。判決は「会員制交流サイト(SNS)の利用が当たり前となった社会に大きな衝撃や不安感を与えた」と、社会的影響の大きさにも言及した。
 判決によると、白石被告は「女性のひもになりたい」と考え、死にたいとの願望がある女性をツイッターで物色。17年8月、座間市の自宅アパートで厚木市の女性会社員=当時(21)=の首を絞めて失神させて暴行し、ロープで首をつって殺害後、所持金などを奪った。証拠隠滅のため遺体を切断し、遺棄。他にも同様の手口で同年10月までの2カ月間に男女8人を殺害し、遺体を損壊、遺棄した。

◆一部の被害者に対してのみ謝罪

 白石被告は起訴内容を認め、法廷で「自殺願望がある女性は口説きやすいから狙った」「金を引っ張れないと分かると殺した」などと述べた。自らの記憶に残る一部の被害者に対してのみ謝罪し、「親族に迷惑をかけたくない」と公判の早期終結を望んでいた。
 神奈川県座間市で2017年に男女9人が殺害された事件の裁判員裁判で、東京地裁立川支部は15日、強盗強制性交殺人罪などに問われた無職白石隆浩被告(30)に、求刑通り死刑判決を言い渡した。

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