神奈川県内の聖火リレー 6月28日から3日間 宮前の92歳・五島さん「後悔しないよう」1日1万歩

2020年12月16日 07時20分

「私は元気。1日1万歩は歩いています」と話す五島シズさん=横浜市青葉区の東急田園都市線たまプラーザ駅前で

 コロナ禍で先を見通せない中で発表された聖火リレーの日程。川崎市在住のランナーは、高揚感が控えめな様子も見られたが、実施される場合はしっかり聖火をつなぎたい意欲を語った。 (安田栄治)
 「聖火ランナーに決まったときの晴れ晴れとした気持ちが今はない」。県内最高齢の聖火ランナー、五島シズさん(92)=川崎市宮前区=は遠くを見つめた。「本当に開催できるか分からない。聖火ランナーもオリンピックも無事に実施されればいいと願っています」
 一年の延期より、国の緊急事態宣言が発令された今年四月以降、外出自粛期間が長く続いたことに戸惑った。「私はこの年になっても、家にいたくない外向きな性格。だから、出かけられなくなり、最初は鬱(うつ)っぽくなった」という。
 それでも前を向くことを忘れず「楽しくなることを探した」。自分と同じ一人暮らしの友人と毎日同じ時間に電話したり看護師時代の後輩とオンラインで情報を交換したり。認知症の人や家族を支援する活動もオンラインでこなした。外出自粛でたまったストレスを「コミュニケーションを増やして解消した」と笑う。
 五島さんの出番は来年六月三十日となった。人と接しない散歩やラジオ体操は毎日欠かさず、散歩は一日七千歩の目標が一万歩に。聖火ランナーへの備えは怠っていない。
 「年寄りは明日どうなるか分からない。コロナに感染して入院しているかも。だから、今日一日を後悔しないように生活している。その積み重ねの先に六月三十日がある」と今度は足元を見つめた。
 「走る場所が決まったら、そこに行ってまずは何回も歩いてみたい」。九十三歳で迎える本番までに、自身の走る姿を頭に描くつもりでいる。
     ◇
 相模女子大(相模原市南区)学芸学部の小泉京美教授=川崎市麻生区=は、新型コロナウイルスの感染拡大によるオンライン授業への移行に対応して学生とのコミュニケーションを積極的に取り「対面授業より学生との距離が近くなった。私自身も百歩ぐらい成長した」とランナーに決まってからの一年を振り返った。
 一年延期されたことで、五輪の第一の目的が、メダル獲得合戦から、安全に開催することになったとみて、それは歓迎している。
 「もし予定通りに開催されるなら」と前置きした上で続けた。「新型コロナウイルスに勝利し、世界中の人々が健康と通常の生活の素晴らしさを分かち合う記念すべきオリンピックになる。今まで以上に皆さんの代表である誇りを持って、聖火をしっかりとつなげて走りたい」

関連キーワード

PR情報

五輪聖火リレーの新着

記事一覧