議事録作成「明確なルールを」 県議長に共産、立民申し入れ

2020年12月16日 07時52分

議会運営委員会で議事録削除問題について説明する森田悦男議長(右端)と、(左端から)立憲民主党の玉造順一氏、共産党の江尻加那氏=県議会で

 茨城県議会六月定例会の議事録(会議録)から自民党の議員の発言が一部削除されていた問題で、共産党と立憲民主党は十五日、削除に至った経緯を全会派に報告するとともに、今後の議事録校正の際の基準を明確にするよう森田悦男議長に申し入れた。森田氏はこの日で退任し、常井(とこい)洋治氏が新議長に就任。立民の玉造順一氏は「新議長の下で議事録作成のきちんとしたルールづくりを」と求めている。 (宮尾幹成、保坂千裕)
 申し入れ書は玉造氏と、共産の山中泰子(たいこ)氏、江尻加那氏の連名で、議会事務局を通して議長に提出。地方自治法や県議会会議規則により、議事録では会議の経過をそのまま記録しなければならないと指摘し、今回の削除について「修文(修正)の範囲を超えるものと言わざるを得ない」と批判している。
 申し入れ後に開かれた議会運営委員会で、森田議長は「(削除で)意味が変わらないという意味では修文の範囲と判断して、今回はそのような処理をした」と説明。その上で「今後、修文のやり方をもうすこし明らかにできる形でやっていければ誤解がない」との考えを示し、常井新議長に申し送りするとした。
 鈴木圭子議会事務局長は、今回の削除は妥当だったとの認識を重ねて強調しつつ、「修文のやり方は、事務局内の協議や議員本人への確認など、誤解のないように慎重に行っていきたい」とした。
 一方、常井新議長は就任記者会見で「これからは正確に記録していくのが大事だ」と述べたが、今回の削除部分に関しては「前議長の段階で修正しなかったので、私の方で申し上げることはない」とだけ語った。
 玉造氏は取材に「正確な記録を公文書として後世に残すのが、会議録の本来のあり方だ」と新議長の対応を促した。
 県議会事務局は、議事録校正の手引として「会議録及び委員会記録校正における留意事項」と題する担当職員向けの研修資料を作っているが、議長が決裁した公式なものではない。
<県議会の議事録削除問題> 日本原子力発電東海第二原発(東海村)の再稼働の賛否を問う県民投票条例案を審議した6月11日の本会議で、一般質問に立った自民党の加藤明良氏は、大井川和彦知事がパブリックコメント(意見公募)を受けて判断を変えた事例を紹介して「県民の多くの反対意見があったので変更した」と述べたが、議事録では、続く「多くの県民の意見を聞いて判断した」との発言だけを残して削除されていた。条例制定を直接請求した住民グループ「いばらき原発県民投票の会」は議事録の是正や再発防止を求めている。

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