「葉山町って何県?」と聞かれた町職員が写す絶景「地元では日常、外から見ると非日常」SNSで発信

2020年12月16日 12時00分
 神奈川県葉山町が写真共有アプリ「インスタグラム」に開設している公式アカウントは、フォロワー数が約3万3000人の町人口を上回る人気を誇っている。投稿写真とコメントが評判で、今月から発売を始めた東京五輪ホストタウンのフレーム付き切手にも写真が採用された。写真を撮影している職員の宮崎愛子さん(31)は「町民が気に入る景色が見つかればうれしい」と声を弾ませている。(石原真樹)
 フレーム切手は、葉山町の写真と、同町が五輪ホストタウンを務める英国セーリングチームの写真を組み合わせた。町の写真は3種類。ホストタウンの切手シリーズは各地で企画されているが、日本郵便南関東支社によると、3パターンあるのは葉山だけという。

葉山港沖のセーリング風景=2018年8月25日(風景写真は、いずれも宮崎さん撮影、葉山町提供)

 このうち「葉山港沖のセーリング風景」は、2018年に事前キャンプ中だった英国チームと日本の学生らのレースを、揺れる観覧ボートから撮影。必死にピントを合わせ何百枚もシャッターを切った。「上山口の棚田」は何度もチャレンジして、沈む夕日を捉えた1枚。18年に英字紙ジャパンタイムズの里山フォトコンテストで自治体部門の最優秀賞に選ばれた。

上山口の棚田=2018年7月19日

 葉山で生まれ育った宮崎さんは11年に入庁し、広報担当になった。東京都内の大学に通っていた頃に「葉山って何県?」と友人に聞かれて驚いた経験から、「町外の人や若者に葉山の魅力を伝えよう」と、15年に同僚とインスタ公式アカウントを開設した。
 当初はフォロワー数が伸び悩んだが、フォロワーから意見を聞く会を開き、撮影のコツや、投稿を拡散するため#(ハッシュタグ)の重要性などを教わった。

鐙摺港から見る富士山=2019年5月12日

 撮影対象は「地元では日常、外から見ると非日常」な場面を心がける。写真に添える言葉は「海ってなんか本音出る」などと役所のにおいを消し、「ため口投稿」「ダジャレ投稿」にも挑戦。その取り組みが17年に報道されるとフォロワーが増え、昨年12月に町人口(同月1日で3万3038人)を抜き、現在3万4000人を超えている。
 インスタを始めた15年度から転入者が転出者を上回る状況が続き、「移住の入り口として町の知名度アップにインスタ効果はあったのでは」と宮崎さん。「五輪を機に葉山の魅力を世界に発信したい」と、ドローンによる空撮など新しい試みに取り組んでいる。

「葉山港沖のセーリング風景」の写真が使われたフレーム切手を手にする宮崎愛子さん=神奈川県葉山町で

 フレーム切手は町内3カ所の郵便局と東京中央、大手町郵便局、日本郵便ホームページで購入できる。920~1330円。

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