青森・むつ市の核燃料貯蔵施設「共用」を検討、電事連が表明 梶山経産相「国としても地元の理解が得られるよう取り組む」

2020年12月17日 17時20分
 大手電力でつくる電気事業連合会(電事連)の池辺和弘会長=九州電力社長=は17日午後、東京・霞が関の経済産業省を訪れ、梶山弘志経産相と面談した。原発の使用済み核燃料の保管場所として建設中の中間貯蔵施設(青森県むつ市)について、原発を持つ各社による共同利用の検討に着手し、立地自治体である青森県とむつ市に説明すると発表した。梶山経産相は「国としても地元の理解が得られるよう、主体的に取り組んでいく」と応じた。(妹尾聡太、小野沢健太)

原発の使用済み核燃料対策について説明する電事連の池辺和弘会長(九州電力社長、左から2番目)と、梶山弘志経産相(右)=17日午後、経産省で

 むつ市の中間貯蔵施設は、東京電力と日本原子力発電(原電)が共同出資したリサイクル燃料貯蔵(RFS)が運営。東電と原電の使用済み核燃料の受け入れを前提としており、2021年度の操業を予定している。この施設の共用が実現すれば、運転期間40年を超えた原発の再稼働を巡って、福井県から中間貯蔵施設の県外候補地を示すよう求められている関西電力を、支援することになる。

◆むつ市長は面会「応じる」と一転

 電事連は18日、青森県の三村申吾知事を訪問予定。むつ市の宮下宗一郎市長は15日に電事連からの面会要請について「内容が分からないのに会うことはできない」と拒否したが、17日午後には面会に応じる意向を示した。
 また池辺会長は、使用済み核燃料の再処理で取り出したプルトニウムを加工して製造するMOX(プルトニウムとウランの混合酸化物)燃料を原発で使う「プルサーマル発電」の目標について、「2030年度までに少なくとも12基」とすると発表した。これまでの目標は「16〜18基」だったが、東京電力福島第一原発事故後は原発の再稼働が進まず、見直した。

核燃料の中間貯蔵施設 原発の使用済み核燃料の再利用に向けて、一時保管する施設。国内初の施設が青森県むつ市にあり、東京電力が80%、日本原子力発電が20%出資する「リサイクル燃料貯蔵(RFS)」が運営している。最終的に出資2社の計5000トンを、最長50年間保管する計画。使用済み核燃料を金属製の保管容器に入れて外気で冷却しながら保管する。2020年11月に原子力規制委員会の審査で新規制基準に適合した。

◆梶山経産相「核燃料サイクル推進に大きな意義」

 池辺会長と梶山経産相の面会は、冒頭が報道陣に公開された。梶山経産相の発言は以下の通り-。
 7月に私どもから要請をいたしました事項についての報告ということで、本日はお越しをいただきまして誠にありがとうございます。これまでに原子力を利用し、全国で使用済み燃料が1.9万トン発生する中、今後原子力を安定的に利用していく上で、核燃料サイクルの早期の確立は重要な課題であると認識をしております。こうした問題意識から、7月の「使用済燃料対策推進協議会」では、使用済み燃料対策の推進、日本原燃の再処理MOX燃料加工事業への支援、プルトニウム利用の計画の公表、最終処分の取り組みについて要請をさせていただきました。
 その後、7月末に再処理工場が、そして今般、MOX燃料加工工場の事業変更許可がなされ、核燃料サイクル政策が大きく前進する中で、時宜を得て事業者全体の取り組み状況についてご報告をいただいたことに感謝を申し上げます。
 ご報告いただきました取り組み内容は、いずれも核燃料サイクルを確立し、原子力の利用をめぐるバックエンド(使用済み核燃料の処分や廃炉)の課題を解決する上で、大きな意義があると評価をいたします。電気事業者として、核燃料サイクルの推進に覚悟を持って取り組む意思を表明したものと受け止めており、いただいた方向に沿って積極的に取り組みを進めていただきたいと存じます。
 特に使用済み燃料対策における事業者連携の取り組みとして、むつ中間貯蔵施設の共同利用という形で新たな選択肢を検討することは、核燃料サイクル政策を推進する上で大きな意義があると考えております。
 第5次エネルギー基本計画においても、中間貯蔵施設の活用を含む使用済み燃料の貯蔵能力の拡大は、対応の柔軟性を高め、中長期的なエネルギー安全保障に資するものとして位置づけられており、事業者間のいっそうの連携を図りつつ、国も積極的に関与し、官民をあげて取り組むこととしております。
 その上で、本件については新たな提案ということで認識をしております。まずは地元の青森県やむつ市に対して丁寧に説明をし、ご理解をいただくことが重要であると考えます。あす(18日)地元を訪問し、状況を説明したい意向とのことですが、国としても地元の理解が得られるよう、主体的に取り組んでいく考えでありまして、資源エネルギー庁の小沢典明首席エネルギー・地域政策統括調整官を同行させることといたします。
 核燃料サイクルにつきましては、我が国の基本的方針として引き続き推進していくことが重要です。本日ご報告いただきました内容も踏まえて、核燃料サイクルの確立に向けて、いっそうの取り組みを加速をしていただきたいと存じます。

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