「国民の誤解」って? 迷走する菅首相の説明 「反省」しながら会食は連日続き…

2020年12月17日 21時18分

14日夜、「Go To トラベル」の全国一律停止を表明する菅首相

 新型コロナウイルスの感染が拡大する中、菅義偉首相の発信が首尾一貫せず、説明が曖昧になるなど迷走している。自身の会食を巡る釈明にも追われ、感染を防ぐために率先して国民に協力を呼びかけるべきトップの説得力が揺らいでいる。(清水俊介、上野実輝彦)

◆「専門家の判断」を前面に

 首相は16日夜、日本テレビの番組にビデオ出演。観光支援事業「Go To トラベル」を年末年始に全国一律で一時停止することについて「帰省する人、旅行に出かける人、ホテルや旅館の人たちにおわびを申し上げなければならない」と初めて陳謝した。一時停止を決めた理由は「私も素人。専門家の提言に基づいて決めている」と説明。停止期間の延長方針でも「専門家の判断に従いたい」と述べ、10回以上も「専門家」に言及した。
 首相は、11月20日に専門家らで構成される政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会が「Go To」の見直しを提言して以降、全面的な停止を拒んできた。今月11日のインターネット番組でも、停止は「考えていません」と明確に否定していたが、一転して全国での一時停止を表明した後は「専門家の判断」を前面に押し出している。

◆「誤解」の意味に言及せず

 表明当日の14日夜、会食に参加したことの説明も煮え切らない。政府が4人以下の会食を呼び掛ける中、8人の大人数で会食したことについて、首相は16日、記者団に「国民の誤解を招くという意味で、真摯に反省している」と語った。テレビ番組では「あいさつして失礼しようと思ったが、結果的に40分ほど残った」と釈明したが、ネットなどで「誤解をした国民が悪いという言い方だ」と反発が拡大した。
 加藤勝信官房長官は17日の記者会見で、国民はどういう誤解をしたのかと問われたが「会食が適切だったのかという指摘を受けていることを踏まえ、『反省している』と申し上げている」と話すにとどめ、誤解の意味に言及しなかった。

◆安倍前首相は会食を控えていた

 感染を防ぐための会食人数は、17日の参院内閣委員会でも議論になった。分科会の尾身茂会長は5人以上の会食を避けるよう訴えたが、西村康稔経済再生担当相は「一律に決めているわけではない」と認識の違いが露呈した。
 安倍晋三前首相は、コロナ感染が急拡大した3月中旬から約3カ月間、夜の会食を控えたが、首相は連日のように会食を続ける。「反省」を口にした16日の夜も会食しており、参院内閣委で野党議員から「国民の気持ちをどう考えているのか」と疑問の声が上がった。

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