感染傾向続けば年末には機能不全に 東京都の医療提供体制、警戒度が最高レベル

2020年12月17日 21時58分
 東京都は17日、新型コロナウイルスの感染状況などを分析するモニタリング会議で、医療提供体制について、警戒度が最も深刻な「体制が逼迫している」に引き上げた。現在の4段階の分析を始めた7月以降、医療提供体制の警戒度を最高レベルとしたのは初めて。同日の都内の新規感染者の報告数は822人と過去最多を大幅に更新。「新型コロナ患者の医療と、通常医療との両立が困難な状況となった」としている。(松尾博史)
 16日時点の入院患者は1週間前の1820人から1960人に、重症患者は59人から69人にそれぞれ増加した。都医師会の猪口正孝副会長は、この増加傾向が2週間続いた場合、「今月31日には、医療提供体制の深刻な機能不全や、保健所業務への大きな支障の発生が危惧される」とした。

年末年始の警戒を呼びかける小池百合子知事=17日、東京都庁で

 小池百合子知事は、コロナ患者用の病床を現在の3000床(うち重症200床)から、4000床(同250床)に引き上げるために、医療機関に確保を要請したことを明らかにした。また病床の余裕をつくるため、65歳以上の感染者は無症状でも入院対象としてきた運用を見直す考えも表明。70歳未満で基礎疾患がない場合などには、宿泊療養施設での受け入れを検討するとした。
 一方、感染状況の判断は、7日間平均の新規陽性者数が前回の424・6人から513・1人に増え、警戒度が最も高い「感染が拡大している」を維持した。

◆「余力は全部使った」救急受け入れ制限も

 「救急の受け入れや、手術を制限せざるを得なくなる」。17日のモニタリング会議では、今後の都の医療提供体制に対し、医療専門家から厳しい認識が示された。
 現在、都内の新型コロナ入院患者数は約2000人。都は重症者用200床を含む計3000床の病床を確保しており、数字上は約1000床の余裕があるように見える。
 ただ都によると、医療機関側の準備に時間がかかるため、当日新たに受け入れ可能なベッドは300床ほどにとどまる。このため感染者の増加に伴って入院調整が難航するケースが増加。待機を余儀なくされるケースが1日数十件程度あるという。
 会議に出席した都医師会の猪口正孝副会長は会見で、今後の入院患者や重症者数の増加について「ほぼ確定的な未来だ」と断言。確保病床を4000床に拡大する必要性に触れつつ、病床の追加確保には、新たに新型コロナ以外の患者を担当している医師や看護師を充てる必要があるとして、「やりくりしないとベッドは出てこない」と指摘。救急の受け入れなどに影響が出る可能性に言及した。
 猪口氏は、感染者の増加が現在のペースで続くと、2週間後には重症者が100人を突破すると強調。「もう医療側の余力は全部使った。感染者を減らすしか方法はない」と訴えた。(岡本太)

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