<新・笑門来福 桂雀々>初のレッドカーペット

2020年12月18日 07時37分

映画「カム・アンド・ゴー」より。(左から)僕、リム・カーワイ監督、渡辺真起子さん

 人生で初めてレッドカーペットを歩きました。いやいや、高座の緋毛氈(ひもうせん)とちゃいますよ。れっきとした映画のレッドカーペットです。ほら、銀幕のスターなんかが煌(きら)びやかなドレス着てて華やかな、そう、あれです。まさか自分にそんなチャンスが訪れようとは夢にも思わず。いや、本人が一番驚いた。
 実は一年前の冬でしたかね、マレーシア出身のリム・カーワイ監督にお声掛けいただきまして、大阪ロケで映画の収録に参加致しました。その時の映画が今年の第三十三回東京国際映画祭に招待されたと聞いて、これまたびっくり。
 いや、この映画の撮影も独特でして、何せ台本がないんです。事前に何となく筋書きみたいなもんは聞いてたんですが、現場で監督から、雀々さん、ここではこんなことが起こりまして、こんなシーンです。と大枠を説明されまして、じゃあ、いってみましょう!とカメラが回るわけですからたまったもんじゃありません。すべては台本無しのアドリブで進行していくわけです。
 とはいえ、頭の中で一生懸命イメージして、こんなことしゃべるんじゃないか、こんな動きするんじゃないかって、想像をくるくると膨らませるわけです。これが結構落語の作り方と似てまして、やってみたら意外に達成感があった。より向いてるかもしれません。とはいえ、全編に出ているわけじゃないので、どんな物語かも分からない。映画祭の当日は、同じ映画に出ていた女優の渡辺真起子さんともあいさつし、「ほんでどんな映画なんです?」「さぁ、どんなんでしょう?」という会話が成り立つからまた楽しい。出演者も、上映されて初めて本編を知るのです。
 さて、東京国際フォーラムで開催された映画祭のオープニングセレモニーは、コロナ禍で随分と縮小されたと聞いても、そこは落語会とは違って、とにかく華やか。遠くに女優の土屋太鳳(たお)さんがいてる、あっちにはアンバサダーの役所広司さんの姿も見える。いや、これぞ映画界やん、と素人丸出しの僕は緊張が抑えられない。浮ついた気分でカーペットを歩いた気がします。来年には公開になるのかな。ぜひご覧ください。タイトルは「カム・アンド・ゴー」。あっ、僕も出てます。レンタルおじさんで。皆さんもどうぞ「いったりきたり」してください。

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