「大深度なら地上に影響ない」はずだったのに…リニア工事は大丈夫?<調布陥没>

2020年12月18日 22時39分

住宅街の市道で道路が陥没した現場=10月18日、東京都調布市で

 「地上への影響はない」といわれてきた大深度地下工事の前提が崩れた。東京都調布市の東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事ルート上に発生した陥没などを巡り、東日本高速道路(NEXCO東日本)の有識者委員会は工事の影響を認めた。ただ、現地の住民の不信はぬぐえないまま。同様に大深度地下で建設されるリニア中央新幹線の工事で、地上の安全は確保できるのか。住民の不安は尽きない。

◆自宅地下でシールド工法「同じ事起こるんじゃ…」

 「同じようなことが起きるんじゃないかと、不安でいっぱいだよ」。東京都大田区に住む真保しんぼ雅一さん(65)はため息をつく。自宅の真下には今後、JR東海が開通を目指すリニア中央新幹線のトンネルが通る。外環道と同じく「大深度地下使用法」に基づく認可を受け、地下40メートル以上の深さをシールド工法で掘り進められる。
 真保さんは2年前、住民説明会に出席。「その時は『大深度だから地上には影響ない』と聞いていた。だけど外環の工事による陥没や空洞を見ると信じられない。安全と思える根拠を示してほしい」と話す。
 政府もこれまで、大深度工事が地上に及ぼす影響を否定してきた。2015年3月の衆院国土交通委員会では、当時の国交省道路局長が「外環の本線トンネル工事は大深度地下を使用したシールド工法を採用しており、地上への影響は生じない」と説明。太田昭宏国交相(当時)も「シールド(トンネル)自体が壊れることがなければ地上への影響は生じない」と答弁していた。

◆リニア中央新幹線 来年度から都内で大深度工事

 ただ、大深度工事を認可する国交省土地収用管理室は取材に「認可は『大深度だから安全』と保証するものではない」と強調。「大深度なら地権者と権利調整をしなくていいというのが制度の趣旨。工事で住宅などに被害があれば、通常の損害賠償手続きと同じ扱いになる」と説明する。
 21年度初めにはリニアの北品川非常口(品川区)からシールドマシンが発進し、都内の大深度工事が始まる予定。JR東海は「(外環道工事の)今回の事象も含め工事の安全性に関する情報を集め、周囲の環境へ影響がないことを確認しながら進める」としている。(梅野光春)

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