障害者の就労、応援し続けて 大田のクリーニング会社「サンアップ」 城南信金の「社会貢献賞」受賞

2020年12月19日 07時11分

シーツや部屋着をたたむ利用者たち=大田区で

 障害があるため就労が困難な人に働く機会を提供しているとして、クリーニング会社を運営する大田区仲六郷の「サンアップ」が、城南信用金庫(本店・品川区)の城南社会貢献賞を受賞した。賞の対象は、社会貢献に力を入れる企業や団体。「就労で社会の一員としての自覚や喜びを共有する取り組み」などと評価された。 (宮本隆康)
 「周りに指示をしている人はいないでしょう。ちゃんと自分たちで仕事をこなしてくれます」。作業場でシーツをたたむスタッフたちを見ながら、長浦啓之社長(45)が目を細めた。
 サンアップは先代の社長時代の一九八五年から、障害者に働く場を提供している。現在、年齢や体力などの理由で、一般企業に就職できない障害者向け福祉サービスの「就労継続支援B型事業所」の指定を都から受けている。
 利用者は、大田区や川崎市から通う二十代〜六十代の男女二十五人。雇用契約を結ばず、就労に向けた訓練の一環として、作業量に応じた工賃を受け取る制度になっている。
 長浦さんによると、クリーニング業は障害者の職場に向いているという。「失敗したとしても物が壊れたりするわけではなく、洗い直したり、たたみ直せばいいだけ。やり直せるのが大きい」と説明する。
 ある利用者は以前、別の作業所で箱を折る作業をしていて、失敗すると廃棄しなければいけないため、気まずい思いをしていた。サンアップでは材料の廃棄などもなく、リラックスして仕事ができるようになったという。
 扱うのは、主にホテルのシーツや部屋着など。長浦さんは「外国人旅行者を迎えるには、きれいなシーツや部屋着は欠かせない。五輪の『おもてなし』は、彼らがいなければ成り立たない」と指摘する。
 しかし、現在は新型コロナウイルス禍で外国人旅行者がほとんどいなくなり、仕事が激減。日本人向けのビジネスホテルからの仕事は一部戻ったが、それでもコロナ禍前の三割程度に過ぎないという。
 「彼らの活躍の場をどう残していくか。福祉をしているつもりはなく、社会との接点をつくる仕事と思っている」と長浦さん。「そのためにも収支を合わせることが大事で、これまで黒字化を続けてきた。企業活動と社会貢献を長く両立させていきたい」と意欲を語った。

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