<法律お助け隊 君和田伸仁弁護士>コロナ不況で課長手当減額

2020年12月19日 07時56分
<お悩み>中規模商社の課長です。コロナ不況を理由に、会社から課長手当を5万円から2万円に減額するので同意を求められました。同意しないと平社員に降格し、役職手当をなくすとも言われています。給与規程には役職手当を払うとあり、課長手当は5万円と決められています。どうしたらいいですか。 (東京・男性51歳)

◆同意する義務はない

<お答え>コロナ禍を理由に、給与を引き下げようとする例が多くみられます。しかし給与などの労働条件は、会社と労働者の合意によって決めるのが原則。会社が一方的に条件を下げることはできません。会社は課長手当の減額の同意を求めていますが、労働者には同意する義務はありません。
 なお、給与規程で定める基準に達しない労働条件に同意しても、その同意は無効で、給与規程の基準が適用されます(労働契約法一二条)。従って、あなたが減額に同意しても、給与規程を変更しなければ、減額は無効とされます。
 では、降格された場合はどうでしょうか。課長手当は課長としての職務遂行の対価なので、平社員になれば手当はゼロになります。しかし、この降格は有効でしょうか。判断に際しては(1)降格をしなければならない業務上、組織上の必要性があるか(2)管理職としての能力や適性の欠如があるか(3)降格によって生じる不利益の度合い(課長手当がゼロになることで給与全体がどの程度になるか)−などの要素を総合的に考慮します。
 あなたの場合、課長手当の減額に応じないことを理由とする降格ですから、(1)と(2)に当てはまらず、降格処分は権利の乱用で無効と判断される可能性が高いと思います。
 以上を踏まえ、会社と交渉してみてください。交渉は労働組合と一緒にするのがよいでしょう。社内に組合がなかったり、管理職で組合員資格がない場合、個人で加入できる組合もあります。降格が強行されそうな場合は、弁護士に依頼し、労働審判などの裁判手続きをすることも考えられます。

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