初詣コロナ禍で様変わり 「密」避けようと年内に前倒しや分散呼び掛けも

2020年12月20日 05時50分
 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、2021年の初詣は様変わりしそうだ。「密」を避けるため、例年、三が日に参拝客でにぎわう寺社は「分散参拝」を呼び掛ける。年内に参拝を前倒しする「幸先詣さいさきもうで」という試みも始まっている。(土屋晴康、藤川大樹)

年内の初詣「幸先詣」ののぼりが掲げられた境内で参拝する人たち=東京都文京区の湯島天神

 学問の神様、菅原道真公を祭る湯島天神(東京都文京区)の境内に掲げられたのぼりには「幸先詣」と書かれている。「幸先が良くなりますように」と、新年に先んじた参拝を意味する造語だ。福岡県神社庁の呼び掛けなどで、全国で使われ始めている。

◆「年内に参拝してもいい?」

 「受験は来年だけど、年内に参拝してもいいのか」
 そんな問い合わせがあるが、押見匡純おしみまさずみ権宮司は「『新年の志』が決まった段階で、参拝していただいて構いません」と話す。孫の合格祈願に訪れていた埼玉県新座市の男性(81)は「年内ならすいてるだろうと思って来た。新型コロナはやっぱり気になる」と話した。
 破魔矢や干支えとの置物などの縁起物の授与も今月初旬から始めている。三が日に備え、人が距離を置くように本殿前に1メートルおきに印をつけているほか、触ると御利益がある境内の「なで牛」を触ることは禁じる。

◆明治神宮は恒例の夜間開門を中止

 今年の三が日、318万人が参拝した明治神宮(渋谷区)は、大みそかは午後4時に閉門する。毎年行っている元旦にかけての夜間開門は中止。分散参拝を呼び掛けるほか、お守りやお札の授与所は社殿から離れた2カ所に設置する。
 都心に位置し、会社単位の参拝が多い神田明神(千代田区)は、社殿で祈禱きとうを受ける人数を1社で原則7人までに制限。特に参拝が多い仕事始めの1月4日と5日は2人までとする。例年は数十人が社殿に上がることも少なくなかった。境内と参道にライブカメラを置き、境内の混雑がインターネット上で分かるようにした。「立春の2月3日までをお正月と考えて」と分散参拝も呼び掛ける。

◆ネット通じて依頼者の代わりに祈祷

 鹿島神宮(茨城県鹿嶋市)はサーモグラフィーカメラを設置して体温を測り、37.5度以上の人は、境内の外から本殿を向いて拝む「遙拝ようはい」にとどめてもらう。マスクをつけない人も参拝を遠慮してもらう。
 同神宮では「コロナが不安で参拝できない」という人のためには、「代参祈禱だいさんきとう」をする。昭和初期まで存在した参拝者の世話をする「御師おし」を復活させ、ネットを通じて代参する様子の動画を依頼者に見てもらう。同神宮の担当者は「長距離移動が難しい時代、代参は一般的だった。神道の本義を外れない形で、感染対策を続けたい」と話す。

◆ひしゃく撤去で感染防止対策を徹底

 浅草寺(台東区)は、例年は境内に200以上が並ぶ露店の出店を見合わせる。そのほか、多くの寺社は既に、手水舎のひしゃくや鈴緒すずおを撤去したりするなど感染対策を取っている。ネット上で、お守りやお札の郵送を受け付ける寺社も少なくない。

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