「コロナで仕事なくなった」 日比谷公園で困窮者相談会

2020年12月20日 05時50分

相談のため会場を訪れた人たち(左側)

 新型コロナウイルスの影響で仕事を失うなどした生活困窮者らを対象に、全労連や市民団体など20団体が連携して19日、東京都千代田区の日比谷公園で「なんでも相談会」を開いた。52人が来訪。「仕事がなくなった」「求人が少ない」とコロナ禍の悲痛な叫びが聞こえた。(井上真典、井上靖史)

◆家賃払えず「友人宅に転がり込んでいる」

 「仕事が減らされて家賃を払えない。友人宅に転がり込んでいる」。ビル管理会社のパートとして働く男性(73)は相談後、重い表情で取材に応じた。

仕事が減らされて家賃を払えなくなり「友人宅に転がり込んだ」という男性。もらった野菜や果物を手に帰途に就いた

 大学の清掃を任されているが、緊急事態宣言下の5月、「オンライン授業で学生がいないので掃除する所もない」と言われた。週5日だった仕事は週1日に減り、月収は約12万円から多い月でも4万円ほどに。東京都新宿区内のアパートの家賃を払えなくなり、知人男性宅に身を寄せている。
 男性も友人も1人暮らしだが、友人宅も6畳1間と広くないため「いつまでもいるわけにはいかない」と胸の内は苦しい。年の瀬は「食べることで精いっぱい」といい、会場で野菜、果物など支援物資を詰めた袋を両手に帰途に就いた。

◆解雇、雇い止め7万人超、働き盛り世代も

 厚生労働省によると、今月11日現在、新型コロナの感染拡大に関連する解雇や雇い止めは見込みも含め、7万6000人を超える。相談会には働き盛りの世代の姿もあった。

会場に用意された支援物資

 埼玉県狭山市の無職男性(45)は「ハローワークや派遣会社の求人数が格段に減っている」と訴えた。就職氷河期世代で、20代のころから派遣やアルバイトでしか採用してもらえず、職を転々としてきた。10月~今月初旬に短期の派遣でパソコン入力の事務作業をしたが、契約は更新されず、無職になったという。「お金を使わないように家にずっといる」
 さいたま市のキャバクラ店員だったという無職男性(35)も4月に突然、「しばらく休んでくれ」と言われてからシフトが入らない。次の仕事も見つからず思い悩む。「自分は生きていていいのか。消えた方がいいのではと思うこともある」

◆後ろめたさ感じて生活保護申請ためらう

 会場で相談対応に当たった宇都宮健児弁護士は「生活保護も選択肢として提案しているが、後ろめたさを感じてか、申請を決断する人がほとんどいない。困った時に保護を受けるのは国民の権利で、そうした発信を国や自治体はするべきだ」と指摘した。

会場に用意された支援物資を手にする男性

 日比谷公園での困窮者の支援は、2008年末のリーマン・ショックによる景気悪化で派遣切りが横行した時の「年越し派遣村」が知られる。当時も活動したというメンバーらは「12年前は派遣切りされた製造業の人が多く訪れたが、今回は飲食やサービス業の人が多い」と話した。

配られた支援物資を手に会場を後にする男性


関連キーワード

PR情報