「健康被害、資産価値の下落も補償を」 被害住民連絡会が会見<調布陥没>

2020年12月20日 05時50分

NEXCO東日本の中間報告を受け、会見する「外環被害住民連絡会・調布」のメンバーら=東京都調布市で

 東京外かく環状道路(東京外環道)のトンネル工事のルート上にある東京都調布市の住宅街で市道の陥没や空洞が生じた問題で、東日本高速道路(NEXCO東日本)が工事との因果関係を認め、家屋損傷への個別補償の方針を表明したのを受け、地元住民らでつくる「外環被害住民連絡会・調布」が19日、調布市内で記者会見を開いた。住民らはNEXCO東日本の事前調査や安全意識の不足を批判。「健康被害や資産価格の下落も補償を」と訴えた。(花井勝規)

◆「悪い地盤予測されるも対策せず工事強行」

 会見には滝上広水ひろみ代表ら住民約10人が出席した。
 NEXCO東日本の有識者委員会は18日にまとめた中間報告で、陥没やその近くで発見された空洞の原因の一つとして「特殊な地盤」を挙げた。小泉淳委員長は、工事前のボーリング調査地点が通常より少なかったと指摘している。
 会見ではこれらの点について、住民から「(掘削には)悪い地盤が予測されていたにもかかわらず、対策を講じず安易に工事を強行した」「安全管理の意識が欠如している」などと非難の声が上がった。

◆「売ろうにも売れなくなって困っている」

 陥没現場の東側の住宅街に住む女性は、大型の掘削機「シールドマシン」による地下の工事後、自宅周辺の住宅街で地盤の沈下現象が続いていると主張した。
 自宅を含め資産価格の下落に気をもみ、「売ろうにも売れなくて皆さん困っている。ご主人に先立たれて、自宅を売って老人ホームに入ろうと考えていた方が途方に暮れている」と話した。NEXCO東日本が表明した被害補償について「家屋の損傷だけでなく資産価格の下落についても適正に償うべきだ」と求めた。
 別の女性は、シールドマシンが自宅近くを通過したときの振動や騒音に悩まされた経験を話し、「NEXCOが考えているよりずっと広範囲に被害は広がっている」と語り、「体の不調を訴えている人も多い。健康被害を含めて補償を求めていく必要がある」と述べた。

◆調布市の市道陥没問題をめぐる経過

10月18日 調布市つつじケ丘2の住宅街で市道が幅5メートル、長さ3メートル、深さ5メ        ートルにわたって陥没。現場地下では9月中旬、シールドマシンが通過
   19日 NEXCO東日本が専門家らを集め有識者委員会を開催
   27日 NEXCO東日本が原因を探るボーリング調査を開始
11月 4日 ボーリング調査で陥没現場近くの地中に長さ30メートル、幅4メートル、高さ3       メートルの空洞が見つかったと発表
   21日 たに長さ27メートル、幅3メートル、高さ4メートルの空洞が見つかる。「外        環被害住民連絡会・調布」結成。新
12月18日 有識者委が「陥没はトンネル工事が要因の一つ」との中間報告をまとめる。NE        XCO東日本が記者会見で住民らに陳謝し、個別に補償する方針を表明
   19日 外環被害住民連絡会・調布が記者会見

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