<調布陥没>資産価値の下落、補償を明言せず 東日本高速が2度目の住民説明会

2020年12月21日 05時50分

東日本高速道路が初めて開いた説明会の会場に向かう地元住民ら=20日、東京都調布市で

 東京都調布市の住宅街で、東京外かく環状道路(外環道)のトンネル工事ルート上で道路陥没や空洞が生じた問題で、東日本高速道路は20日、住民向けの説明会を市内で開いた。工事の影響を認めた18日の中間報告後、初の説明会となり、東日本高速は住民に謝罪し、振動などによる家屋損傷の補償方針などを説明。住民は資産価値の低下や今後の工事への不安を訴えた。説明会は21日も開かれる。
 説明会は非公開で行われた。出席した住民によると、質疑応答では、トンネルのルート脇を流れる入間川の東側エリアの住民らが、広範な地盤の沈下や地下水の異変を指摘。東日本高速は今後追加のボーリング調査の結果を解析するとし、「地下水は引き続き動向を確認する。トンネルの掘進との因果関係を確認し、明確にしたい」と答えた。
 自宅に数十カ所のひびが入った女性は「資産価値が大幅に低下し、皆さんが困っている。これは仮定の話ではなく、現実だ」と切実に訴えたが、東日本高速は「補償の内容は個別にしっかり話をさせていただき対応したい」と述べるにとどめた。
 自宅の外階段に大きな亀裂が生じた男性は「これだけ地盤が緩い中で、工事は中止されると考えていいのか。(すぐ脇を通るトンネル計画の)2本目は想像もできない」と不安視し、安全性を示す証明書発行など将来の生活の担保を求めた。東日本高速は「まずは原因究明をさせていただきたい」とした。
 会場からは「工事に伴う振動で家族が不調を訴えている」「緊急に対応が必要な家屋の損傷が出ている」などの訴えの他、深さ40メートル以上での外環道工事に適用されている大深度地下法の見直しを求める声も上がった。
 説明会後、ある住民は取材に「東日本高速や有識者委員会は要因の1つとして『特殊な地盤』『悪い地盤』を繰り返したが、土砂の取り込みすぎなど(大型掘削機の)シールドマシンの施工ミスを小さく見せようとしているのではないか」と厳しい表情で話した。(花井勝規)

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