防衛費、過去最大を7年連続で更新 「敵基地攻撃能力」関連の武器も次々と

2020年12月22日 06時00分
 2021年度政府予算案の防衛費は、前年度当初予算から289億円増の5兆3422億円となり、7年連続で過去最大を更新した。陸上自衛隊の12式地対艦誘導弾(SSM)の射程延長に向けた開発費に335億円を充てるなど、敵基地攻撃能力の将来的な保有につながる項目が多く盛り込まれた。
 12式SSMについては、防衛省が9月の概算要求時点で関連予算を27億円と計上。今月に入って、長射程化した上で艦艇や戦闘機への搭載も目指すとして増額した。
 政府は、相手の脅威圏外から自衛隊員の安全を確保しつつ対処することが目的として、敵基地攻撃への利用を否定。だが延長後の射程は900キロ程度となる見込みで、能力上は日本領域内から他国への攻撃が可能になり、専守防衛を逸脱する恐れが指摘されている。
 米国製最新鋭ステルス戦闘機F35Aに搭載し、約500キロの遠距離から攻撃可能なノルウェー製長距離巡航ミサイル「JSM」の取得費には149億円を積んだ。
 他国に侵入可能なF35Aは4機で391億円、艦艇からの離着陸が可能なF35Bは2機で259億円の取得費を計上。F35Bを搭載する「いずも」型護衛艦の改修費は203億円で、甲板の耐熱加工や艦首の形状変更により事実上の空母化を進める。
 菅義偉首相は、安倍晋三前首相が求めていた敵基地攻撃能力保有の検討について年内の結論を見送った。だが、予算案に示された武器がそろえば、事実上の能力保有が進むことになる。
 米政府が一方的に契約価格や納入期限を変更できる「対外有償軍事援助(FMS)」による調達費は2543億円で、前年度比46%減。防衛省担当者は「今回は偶然、高額の調達がなかった」と説明しており、今後増額に転じる可能性がある。(上野実輝彦)

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