「消費税頼み」が鮮明に、21年度税収 法人税の2倍超える20兆円以上

2020年12月22日 05時50分
 政府は21日、当初予算案と共に2021年度の税収見通しをまとめた。消費税収は20兆円を超えると見積もり、法人税収や所得税収を大きく上回るとした。消費税に頼る構図が浮き彫りとなっており、新型コロナウイルスの感染が再び広がる中、所得の低い人ほど負担感が強い消費税の減税を求める声もあがる。(大島宏一郎)
 税収総額は約57兆円。このうち消費税が占める割合は約35%となる見通し。18年度まで最大の税目だった所得税(約18兆円)を上回り、企業業績の悪化で減る法人税の2倍を超える規模となる。
 今回の税収見通しを1990年度の実績と比べると、消費税は4倍超に増えたのに対し、税率を段階的に引き下げてきた法人税は2分の1に減った。立正大学の浦野広明・客員教授は「消費税の増収分が法人税の減収分を穴埋めしてきた」と指摘。昨年10月に実施された消費税の増税で「低所得者の負担は増える一方だ」と訴える。

◆自民若手から「消費減税」要望も 党税調は議論せず

 消費税をめぐっては、自民党の若手議員ら約30人から「日本経済はコロナ前の増税でダメージを受けていた」と減税を求める声があった。だが、党税制調査会(税調)の甘利明会長は「消費税は上げたり下げたりするのが極めて難しい」と否定。今回の税調では議論にもならなかった。
 一方、欧州では、ドイツが消費税に当たる「付加価値税」の減税に踏み切っている。国税庁出身で中央大法科大学院の酒井克彦教授によると、英国や韓国も付加価値税の税率を時限的に引き下げている。酒井氏は「経済的に余裕のある人に旅行を促す『Go To トラベル』より、消費減税の方が幅広い人に恩恵が行き渡る」と指摘。「日本も時限的な景気対策として検討すべきでは」と提案している。

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