幸せ届ける コウノトリ切手 栃木・小山市「探鳥」 堀内カメラマンの写真

2020年12月22日 07時00分

雪化粧した富士山と人工巣塔に舞い降りるコウノトリ「ひかる」。本紙では初掲載=栃木県小山市の渡良瀬遊水地で

 栃木県小山市の渡良瀬遊水地で今年、コウノトリが野生復帰以来、東日本で初めて野外繁殖に成功した。これを記念し、同市が日本郵便関東支社(さいたま市)と連携してオリジナルフレーム切手「祝 東日本初 野生のコウノトリ ヒナ誕生」を21日から発売した。切手には本紙連載「探鳥」の堀内洋助カメラマン(元東京新聞写真部)の写真が使われている。

朝の光に輝く巣立ちしたコウノトリ「ゆう」(左)と「わたる」=今年8月2日撮影

 オリジナルフレーム切手は八十四円切手十枚が一シートになっており、そのうち九枚が堀内さんが撮影した写真。雄大な遊水地を背景に父「ひかる」と母「歌」、ヒナの「わたる」と「ゆう」の生き生きした姿が写し出されている。
 堀内さんは「コウノトリは幸せを運んでくれる鳥なので撮影していても楽しい。形に残る切手として大切にしてもらえたらうれしい」と話している。

堀内カメラマンの写真が採用された切手シート=栃木県小山市提供

 一シート千三百三十円。同市渡良瀬遊水地ラムサール推進課と渡良瀬遊水地コウノトリ交流館(二十四日から)のほか、群馬県板倉町、茨城県古河市、埼玉県加須市など遊水地ゆかりの四県六市町の全郵便局と埼玉県久喜市の栗橋、南栗橋郵便局でも販売。二十五日からは、郵便局公式サイト「郵便局のネットショップ」でオンライン販売も。問い合わせは小山市ラムサール推進課=電0285(22)9354=へ。 (小川直人)

◆「渡良瀬で30年 一生の思い出」

田んぼで餌を探す母親の「歌」。残念ながら今年10月に死んだ

 「記念のフレーム切手を検討中で、写真は10枚以上可能でしょうか」と今年8月上旬、小山市の渡良瀬遊水地ラムサール推進課から連絡を受けた。コウノトリの巣立ちを同月5日付の当欄に掲載した直後に。大きな反響に、びっくり。渡良瀬を撮影して30年。節目の年に一生の思い出になり、胸が高鳴った。
 採用された写真は今夏の巣立ちが5枚。2018年2月の人工巣塔の設置から定住した「ひかる」のベストショットが4枚。残り1枚はテレビ小山放送の提供となった。
 東京新聞を退職後、愛媛県松山市に移住し、写真家と農家の二足のわらじをはく。コウノトリの繁殖中、愛媛は新型コロナウイルスの感染確認ゼロが続き、上京がためらわれた。しかし、巣立ちを見届けたい思いが募り、第2波のピークだったが思い切って上京し、現地に4日間滞在。心を躍らせた瞬間が懐かしい。
 コウノトリの今を渡良瀬の鳥仲間に聞いた。「巣立ちの2羽とひかるなど4、5羽が滞在する」という。来春、コロナ感染が収まり、子育ての季節を迎えた渡良瀬を撮りたいと願う。 (堀内洋助)
<ほりうち・ようすけ> 1954年松山市生まれ。92年、写真企画「渡良瀬有情」取材班で新聞協会賞を受賞。昨年末まで本紙に「探鳥」を23年間連載。現在は松山市で主に四国の野鳥と絶景を撮影している。
 ◆紙面へのご意見、ご要望は「t-hatsu@tokyo-np.co.jp」へ。

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