老夫婦の愛 絵本に さいたま市の漫画家・あらい太朗さんが出版

2020年12月22日 07時34分

作者の あらい太朗さん

 さいたま市の漫画家あらい太朗さんが、県ゆかりの漫画家・北沢楽天(一八七六〜一九五五年)と、妻いのをモチーフにした絵本「雷になったいのばあちゃん」(さきたま出版会)を出版した。あらいさんは「おじいさんとおばあさんのラブストーリー。大人にも読んでほしい」と話す。
 縁側でうとうとしていた「いのばあちゃん」は、「おーい、いの」と呼ばれて返事をしたが誰もいない。すると空から雷さまが落ちてきて、亡くなった「だんなさん」が描いた「雷さまとカエル」の掛け軸を巡って押し問答に。雷さまと一緒に雲の上を訪れると、再び「おーい」と呼ばれ…。
 挿絵は綿棒で色付けする、あらいさん考案の「ぽんぽん版画」で制作。大切な人を亡くした寂しさや、癒やされていく心がほのぼのとした絵柄で描かれている。
 物語はあらいさんの創作だが、掛け軸は楽天の「雷と蛙(かえる)」を基にしている。楽天は七十九歳で妻いのを残して急逝。「北沢楽天顕彰会」理事でもあるあらいさんによると、実際の二人も仲むつまじい夫婦だったという。
 あらいさんは「コロナ禍で突然の別れが増えている。愛する人が亡くなった時の心境をなぐさめようと思った」と作品に込めた思いを話す。千五百円(税別)。書店で購入できる。問い合わせは、さきたま出版会=電048(711)8041=へ。

北沢楽天と妻いのをモチーフにした「雷になった いのばあちゃん」


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