さいたまにバスケ熱を スポーツコミッションとブロンコス連携 2団体トップの池田純さんに聞く

2020年12月22日 07時37分

コロナ禍で地域スポーツの需要が高まっているとして、さいたま市内でのバスケ振興に力を入れる池田純さん=いずれもさいたま市で

 地域スポーツの振興やイベント開催支援を通じ、さいたま市の経済活性化を図る「さいたまスポーツコミッション」が、バスケットボール男子B3の「さいたまブロンコス」と連携して競技の普及に力を入れている。新型コロナウイルスの影響が続く中、新シーズン開幕を来月に控え、両団体のトップを兼任する池田純さん(44)に現在の取り組みや今後のビジョンを聞いた。 (聞き手・杉原雄介)
 −コロナ禍でスポーツが果たす役割は。
 コロナ禍でも経済活動は回さないといけないが、人々の心身が健康でないと経済活動は活性化しない。そのために、スポーツを見たりプレーしたりすることが不可欠になる。自転車やバスケシューズが売れており、みんなスポーツを渇望していると感じる。
 −バスケの普及に力を入れる理由は。
 県内にはJリーグクラブとプロ野球球団があり、第三のマーケットとして考えるならバスケしかない。サッカーや野球と比べて試合時間が短く、少人数でできる。少子高齢化の時代に適しており、若い世代をつかまえるチャンスがある。
 −ブロンコスはもともと所沢市がホーム。今年七月からさいたま市もホームに加わった。
 さいたま市は小中学生のバスケ人口が多く、バスケ熱が盛り上がる可能性がある。東京五輪のバスケも市内(さいたまスーパーアリーナ)で開かれるのに、地元にプロチームがないのはおかしい。市内でバスケができる場所を増やすためにもプロが必要だと考えた。
 −普及のための取り組みは。
 さいたま市の地元企業に「一緒にバスケで地域貢献しませんか」と呼び掛けている。コロナ禍で人々が地域で過ごす時間が増えており、企業にとっても地域貢献に力を入れることは、消費者と距離を縮める上でメリットとなるはず。地域の「元気玉」であるスポーツを使わない手はない。
 企業名を冠したバスケコートを屋外に設置する話を複数企業と進めている。夏の暑さ対策で、市内の幼稚園と小学校にランニングユニホームを一緒に配ってくれる企業も探している。バスケを軸に地域の企業や商店を結集したい。
 −子どもたちへのアピールに力を入れている。
 十月から現役選手が直接指導するスクールを立ち上げた。選手もシーズンとの両立は大変だろうが、地域でファンづくりをしないといけないことを理解した上で入団してくれている。

さいたまブロンコスが始めた選手によるスクール(さいたまブロンコス提供)

 ブロンコスの試合観戦を大学生まで無料にすることも考えている。最初は赤字になるが、若いファンが増えれば企業の支援も増え、三〜五年後にはビジネスとしてプラスになるはず。将来的に、ブロンコスの話題が酒のつまみで出るくらいになれば。
 −コミッションの役割は。
 ブロンコスではできないことが企画できる。子どもの全国大会を誘致したり、審判員の国際シンポジウムを開いたり。さいたまスーパーアリーナを使って、米プロバスケットボール(NBA)のチームを呼んできたっていい。教育や部活との連携もコミッションの役目。市内の学校に選手を派遣して子どもたちと触れ合うことは、バスケ文化を根付かせるために重要だ。
 −来年は東京五輪がある。
 バスケは五輪競技の中でもトップクラスの人気を誇るので、一時的なブームは来ると思うが、その後の受け皿作りが重要。バスケ文化を根付かせるため、コミッションとブロンコス、市がどれだけ連携できるかが肝となる。
<いけだ・じゅん> 横浜市出身。早稲田大卒業後、商社や広告代理店を経て2007年に携帯ゲーム会社「DeNA(ディー・エヌ・エー)」に入社。11〜16年、プロ野球横浜DeNAの初代球団社長。退任後はJリーグ特任理事などを歴任し、19年にさいたまスポーツコミッション会長に就任。今年3月からさいたまブロンコスのオーナー兼取締役。

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