長期政権が招いた腐敗 「カネ」で6閣僚辞任、安倍前首相も当事者に

2020年12月24日 18時46分
 安倍晋三前首相の在任中に開かれた「桜を見る会」前日の夕食会を巡る費用補填ほてん問題は、第2次安倍政権で相次いだ「政治とカネ」を巡る不祥事の延長線上にある。7年8カ月に及んだ前政権では10人の閣僚が辞任。このうち、6人は「政治とカネ」の問題が引き金だった。(生島章弘)

◆甘利元再生相、河井元法相、西川元農相…

 安倍氏の側近で、経済再生担当相として環太平洋連携協定(TPP)交渉を取り仕切っていた甘利明氏は16年1月、口利きを依頼してきた建設会社から現金を受け取ったことの責任を取ってポストを退いた。昨年の参院選を舞台にした買収事件で裁判中の河井克行元法相や、代表を務める政党支部への違法献金が取り沙汰された西川公也元農相も、内閣改造など閣僚交代のタイミングを待たず辞任に追い込まれた。
 これとは別に、22日に辞職した吉川貴盛前衆院議員は18~19年の農相時代の現金受領疑惑で捜査を受けている。安倍氏が刑事告発された「桜を見る会」前日の夕食会を巡る問題も、首相在任中の出来事だ。

◆説明を尽くさず「勝てば官軍」

 安倍氏は前政権で閣僚の不祥事が起こるたび、任命責任を認める一方、真相究明への取り組みは消極的で、説明責任を果たす姿勢も乏しかった。官房長官として首相当時の安倍氏を支えた菅義偉首相を含め、政治への信頼に関わるという重大性を認識せず、早期の事態収拾で政権への打撃を抑える「危機管理」の視点で対応していたからだ。
 実際、内閣支持率は一時下落しても持ち直すことが多く、不祥事が起きた後の国政選挙でも連勝を重ねた。当時の政権幹部は経済が好転すれば支持率は上がると見込み、「政治とカネ」の問題を軽視する姿勢は改まらなかった。

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