政府方針決定は21年に持ち越し 福島第一原発の汚染処理水処分 経産省「年内は厳しい」

2020年12月24日 19時55分

処理水を保管するタンクが並ぶ東京電力福島第一原発=10月21日、本社ヘリ「おおづる」から撮影

 東京電力福島第一原発の汚染水を浄化処理した後の放射性物質トリチウムを含む水の処分について、経済産業省は24日、方針決定が来年以降になる可能性が高いと明らかにした。担当者は本紙の取材に「年内の決定は厳しい」と説明。政府は海洋放出処分を検討しているが、風評被害を懸念する漁業団体などとの調整や対策の検討に時間がかかっている。(小川慎一、小野沢健太)
 政府は当初、10月27日にも関係閣僚会議を開き、処理水を海水で薄めてトリチウム濃度を国の排出基準以下にし海に流す処分方針を決める方向だった。
 しかし、海洋放出によって水産物を中心に風評被害が避けられないとして、全国漁業協同組合連合会(全漁連)は「絶対反対」と政府に慎重な判断をするよう要求。自民党内でも一部に反対意見が出ている。
 東電は処理水を福島第一構内のタンクに保管しているが、2022年夏ごろには保管容量が限界を迎えるとしている。放出設備の整備に2年程度かかるため、年内の方針決定が急務とされていた。福島第一廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は24日の記者会見で「政府の方針が決まった後に対応を検討する」と述べるにとどめた。
 菅義偉首相は処理水の処分について、これまで「いつまでも先送りできない。政府として責任を持って結論を出す」と答えている。

トリチウム(三重水素) 放射能を帯びた水素で、酸素と結合してトリチウム水になる。普通の水と分離するのは難しく、汚染水を浄化している多核種除去設備でも取り除けない。放射線(ベータ線)は比較的弱く、人体に入っても大部分は排出される。放射能は12.3年で半減

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