民主主義を崩す虚偽答弁 高山晶一・政治部長

2020年12月25日 05時50分
 「公私混淆こんこうを断ち、清廉を持し、かりそめにも国民の非難を受けないよう努めなければならない」
 「言動のすべてが常に国民の注視の下にあることを銘記しなければならない」
 ロッキード事件を機に1985年に議決された政治倫理綱領は、5項目の規範を国会議員に課している。国会でうそをついてはいけないとは書かれていない。明記するまでもなく、当然守らなければならないことだからだ。
 「桜を見る会」前日の夕食会を巡り、不起訴となった安倍晋三前首相は、その当たり前のことを問われている。衆院調査では在任中、夕食会に関し計118回も虚偽の答弁をしていた。
 安倍氏は、秘書が自分に真実を話さなかったため「結果として」事実に反する答弁があったと説明したが、「(ホテル側との)契約主体は個々の参加者」など、おかしな理屈だと自分で思わなかったのかという疑問は解消されていない。一国の首相の立場にあっただけに、責任は重大だ。
 国民の代表でつくる国会は、国権の最高機関と位置づけられ、法案審議などの国会論戦を通じ、政府を監視する役割を担う。首相の説明が正しいものでなければ、監視機能を果たしようがない。国民が国会を通して国の進路をコントロールするという、民主主義の土台が崩れる。
 国会で虚偽説明をしないという最低限の規範を守れないなら、国会議員でいる資格はない。25日の国会招致で合理的な説明をできなかった場合、潔い決断が必要だ。

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