「桜を見る会」 安倍前首相を不起訴 「共謀の証拠得られず」嫌疑不十分で東京地検特捜部

2020年12月24日 22時39分
 安倍晋三前首相の政治団体が「桜を見る会」前日に主催した夕食会の収支を巡り、東京地検特捜部は24日、政治資金規正法違反(不記載)などの疑いで刑事告発された安倍氏を不起訴(嫌疑不十分)とした。安倍氏は同日夕、記者会見し、問題の会計処理について「私が知らない中で行われていた」と自身の関与を否定する一方で、「道義的責任を痛感している。深く反省し、国民の皆様に深くおわびする」と陳謝。議員辞職は否定した。安倍氏は25日、国会で一連の経緯を説明する。

◆公設第一秘書に罰金100万円の略式命令

 安倍氏の政治団体代表の配川博之公設第一秘書(61)=山口県下関市=について、特捜部は24日、補分を含む夕食会の収支3022万円を政治資金収支報告書に記載しなかったとして、同法違反罪で略式起訴。東京簡裁は同日、罰金100万円の略式命令を出し、配川秘書は即日納付した。
 特捜部幹部は、報道陣に「安倍氏が収支報告書の作成に関与し、共謀して不記載をしたと認めるに足りる証拠が得られなかった。配川秘書を略式起訴にした理由の詳細は差し控えるが、一般には不記載の額の多寡や供述状況を考慮する」と説明した。
 安倍氏は25日、衆参両院の議院運営委員会に出席し、首相在任中の答弁を訂正する。野党は、虚偽の答弁をすると偽証罪に問われる証人喚問を衆参の予算委員会で行うよう求めたが、与党は拒否した。

◆安倍氏釈明「当時の認識の限りを答弁」

 安倍氏は24日の会見で、首相在任中の国会答弁について「当時の私の認識の限りの答弁をしたつもりだったが、結果として事実に反するものがあった。国民の政治への信頼を損なうことになった」と釈明した。夕食会の費用を補した原資については「手持ち資金として事務所に私が払わせているものの中から支出した」と語った。
 夕食会は、政治団体「安倍晋三後援会」が2013年以降、地元山口県の支援者らを招き、東京都内の高級ホテルで毎年開いてきた。1人5000円の会費だけでは支払額に満たず、安倍氏側が不足分をホテル側に補していたことが明らかになっていた。
 起訴状によると、配川秘書は16~19年の4年間、後援会の収支報告書に夕食会の会費収入と、補分707万円を含むホテル側への支出3022万円を記載しなかったとされる。

◆公選法違反でも訴えられるが不起訴に

 全国の弁護士有志らが今年5月以降、安倍氏や配川秘書らを告発。有権者への金品提供を禁じた公選法違反(寄付行為)に当たるとも訴えていたが、特捜部はいずれも不起訴とした。公選法にある連座制の規定は政治資金規正法にはない。
 安倍氏は21日、特捜部の任意聴取に関与を否定し、配川秘書はこれまでの聴取に補や不記載を認めている。安倍氏は昨年秋の臨時国会などで「補した事実はない」と答弁。安倍氏の事務所関係者は「先月下旬になって初めて、安倍氏に補を告白した」と周囲に説明している。

関連キーワード

PR情報