「大養鶏県」不安広がる いすみ市で鳥インフル 「感染拡大、風評被害が心配」

2020年12月25日 07時19分

鳥インフルエンザの発生を受け、飼育された鶏の殺処分のため鶏舎に入る県職員ら=いすみ市で(県提供)

 いすみ市の養鶏場で二十四日、高病原性とみられる鳥インフルエンザの発生が確認されたことを受け、県内の同業者らから「他の農家にも広がらないか」「風評被害が心配」と不安の声が相次いだ。新型コロナウイルスに続いて新たな難題を抱えた県は、防疫対策を講じて封じ込めを図る。 (中谷秀樹、山口登史)
 発生した養鶏場は全国最大規模で、殺処分が決まった鶏は国内過去最多の百十六万羽に上る。県内飼育の産卵鶏約千二百万羽のうち、この事業者が飼育するのは約二百万羽を占めていた。県内には県外産の鶏卵も流通しているため、県畜産課の担当者は「ただちに鶏卵の供給には影響を与えない」と述べた。
 県内の発生は二〇一七年三月以来。鳥インフルエンザが発生した養鶏場は、門扉が閉められ、警備員が入場者をチェックするなど厳戒態勢が敷かれた。
 県は畜産関係者の車両の消毒ポイントを周辺五カ所に設置。養鶏場から最も近い御宿町役場では、県の委託を受けた業者が車両の消毒を行った。
 業者によると、午後五時までに一台が訪れ、塩素系の消毒液でタイヤや車体などを念入りに消毒したという。
 いすみ市で別の養鶏場を営む女性は「新型コロナウイルスと同じで見えないのが怖い。人ごとではなく、自分の養鶏場にウイルスが入ったら困る」と話した。県農業協会養鶏部会の松木英明事務局長(64)は「風評被害はもちろん、県内の他の養鶏農家にも広がらないか心配」と懸念した。
 県は二十四日、対策本部会議を開き、森田健作知事が「迅速な初動対応で確実に封じ込めるため、全庁を挙げて万全を期すこと」と職員に指示した。県を訪れた農林水産省の葉梨康弘副大臣は知事と会談し「千葉は『大養鶏県』。この農場だけで留めるように原因究明を図らないといけない」と述べた。

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