<コロナと生きる@いばらき>感染「第3波」 クラスター多発、一進一退 知事「対岸で大きな火事」

2020年12月25日 07時20分
 新型コロナウイルス感染の「第三波」が十一月上旬に県内で始まって以降、新規感染者数は一進一退を繰り返している。当初は県南・県西を中心にクラスター(感染者集団)が多発したが、ピンポイントの抑え込み策を講じたこともあり、ここ数週間は頻度が下がっていた。だが、今月二十四日には県内の工場で十人の感染者が新たに確認されるなど、年末年始を前に予断を許さない状況だ。 (宮尾幹成、保坂千裕)

◆20件以上

 大井川和彦知事はこの日の記者会見で、感染拡大が収まらない東京都などを念頭に「(県内では)この三週間でかなり落ち着きを見せ始めているが、対岸では大きな火事が起きており、いつ火の粉が飛んでくるか分からない状況だ」と警戒感を示した。
 県内で第三波の兆候が表れたのは十一月五日。この日、感染者が約一カ月ぶりに十人を超えた。
 本紙が十一月以降、今月二十四日までで、五人以上の感染者が出たクラスターとみられる事例を調べたところ、少なくとも二十件以上あった。
 大きなクラスターとしては、土浦市桜町の「夜の街」で三十人規模の感染が判明。県は繁華街一帯の集中検査と併せて、市内の福祉施設従事者(約千八百人)の一斉検査も実施し、感染拡大の防止を図った。
 その後、土浦市役所でも感染が広がり、市庁舎の一部の窓口が閉鎖される事態に。最終的に二十一人のクラスターとなった。
 今月四日には、坂東市の障害者福祉施設「暁厚生園」でもクラスターが発生。新規感染者が八十五人となり、一日当たりの過去最多を記録した。
 この第三波の特徴について、柴田隆之・県疾病対策課長は「規模の小さいクラスターが非常に多く発生していることと、『第二波』に比べて、家庭内感染などで感染者の年齢層が増え広範にわたっていること」を挙げた。

◆ハイペース

 県内感染者は三月に初確認されてから約八カ月後の十一月十七日に累計千人を超えたが、二千人を突破したのは今月十四日で、それから一カ月もかからなかった。検査態勢拡充により無症状の陽性者が増えたことで底上げされた面はあるが、かなりのハイペースで感染者が出ている。
 県はこの間、人口一万人当たりの直近一週間平均の新規感染者数が一・五人超の市町村を「感染拡大市町村」に指定し、外出自粛要請や、酒の提供や接待を伴う飲食店の営業時間短縮要請に着手。十一月二十八日から土浦、取手、牛久、つくば、かすみがうら、つくばみらい各市と阿見町、境町を対象に実施し、古河、鹿嶋、坂東、常総各市と利根町を順次追加した。
 今月の第二週から感染がやや落ち着き、十三市町に出された要請は二十日までに全面解除された。
     ◇
 十一月下旬にクラスターが発生した会食に参加して感染した医療従事者の職業を、県が本人の意向を踏まえて「自営業」と発表していた問題を巡り、知事は二十四日の会見で、職業の公表について本人の同意が得られない場合、今後は一律「非公表」とする方針を示した。
 県は、八月にも医師の感染者を「自営業」と発表したケースが一件あったと明らかにした。

関連キーワード

PR情報

茨城の新着

記事一覧