持続化給付金、「中抜き」規制を強化 経産省が新規則案、電通への再委託の問題で

2020年12月25日 23時10分
 国の持続化給付金事業で再委託や外注が繰り返された問題で、経済産業省の有識者検討会は25日、受注事業者が外注費の一部を利益として算入することを禁止するなど委託ルールの見直し案をまとめた。業務の大半を別の企業に外注しているにもかかわらず、税金の「中抜き」が生じているとの批判を受けて改善した。一方、50%を超える再委託を容認することは変えておらず、業務の「丸投げ」が起こる懸念は残る。
 給付金事業では、一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ協)がサ協設立に関与した電通に業務の97%を再委託。さらに、電通は子会社4社に645億円で業務を外注したが、外注費の10%を「一般管理費」として、利益に算入していた。
 新ルールでは「中抜き」になりやすい経産省の独自ルールは撤廃され、外注によって利益を増やすことは認められなくなる。管理費に算入できる人件費などの割合も、10億円以上の大規模事業で受注額の10%から8%に引き下げ、企業の取り分を小さくする。

◆公平性を確保

 入札前にサ協を優遇していたとの指摘を受け、入札資料は事前にホームページで公表する。各業者と事前接触する際には公平性を確保し、面会記録の保存も義務化する。
 一方、50%超の再委託を禁止しなかったことに関しては、経産省は「一定の割合で一律に禁じるのは実務上難しい」と説明した。ただ、サ協と電通のような密接な関係を含め、グループ企業であることのみを理由とする再委託や外注は認めない。
 経産省は年度内に、これらの見直し案を委託ルールに反映する。対象は多数の業者が関わって緊急に国費を配る事業のうち、事業費が10億円以上か事務局経費が1億円以上の事業で年間約50件にのぼる想定だ。検討会の梶川融委員長は「財政制約がある中で、効率的な予算執行が必要だ。一定の成果は得られた」と述べた。(皆川剛)

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