「118回ウソ」証拠なき弁明 安倍氏「後援会が契約」認める 「桜」答弁訂正

2020年12月26日 10時00分
 安倍晋三前首相は25日、「桜を見る会」前日の夕食会を巡る首相在任中の国会答弁について衆参両院の議院運営委員会で「事実に反するものがあった。国民の信頼を傷つけた」と陳謝し、夕食会参加者の費用を補填ほてんしていたことを認めた。自らが不起訴になったことを理由に公職選挙法が禁じる地元有権者への利益供与は否定。衆院調査局の調査で「虚偽答弁」は118回に上るが、疑惑解明のための明細書提出も拒むなど十分に説明責任を果たしたとは言えない内容だった。(横山大輔、川田篤志)
 安倍氏は在任中、会場のホテルが夕食会のサービス提供の契約を結んだのは個別の参加者で、自身の政治団体には政治資金収支報告書に記載すべき収入や支出が生じないと説明していた。この日の議運委では、個別の参加者ではなく、会を主催した「安倍晋三後援会」だったと訂正。理由については「契約主体の認定ではさまざまな考え方があるが、今回は検察当局の認識に従った」と述べた。

参院議院運営委で立憲民主党の福山哲郎参院議員の質問を聞く安倍前首相=25日午後、国会で

 費用補填の原資に関しては、事務所が管理する自身の私費だったが、一時的な立て替え払いにすぎず、「直ちに不適切とは言えない」と説明。夕食会の会費収入を上回る部分は会場使用料などに充てたとした上で「会場費(の支出)は利益供与に当たらないという総務省の見解がある」と主張した。共産党の田村智子参院議員は「会場費(が認められるの)は限定的だ」と反論した。
 野党は後援会の支出の内訳を記した明細書を示すよう要求したが、事務所で保管されていないと説明。「隠す理由は何もない」としながら、野党から求められたホテルへの再発行依頼も拒否した。
 安倍氏は議員辞職の考えがないとも明言。両委員会後には記者団に「説明責任を果たすことができた。知りうる限りのことは全て話した」と強調。次期衆院選に「出馬して国民の信を問いたい」と述べた。
 首相在任中の答弁の訂正を求めるのは極めて異例。与党は捜査終結を受けた今回の質疑で、事態の幕引きを急ぐ。野党は疑惑がさらに深まったとして、来年1月召集の通常国会で安倍氏の証人喚問を求める方針。

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