飲食店の時間短縮、支援と罰則セットに特措法の改正を検討<菅首相会見要旨>

2020年12月26日 10時00分
記者会見する菅義偉首相=25日、首相官邸で

記者会見する菅義偉首相=25日、首相官邸で

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 菅義偉首相が25日に行った記者会見の要旨は次の通り。
【冒頭発言】
 新型コロナウイルスについて、国民の皆さまに現状の説明と、年末年始におけるお願いがある。ウイルスとの闘いが始まって、1年がたとうとしている。首都圏を中心に感染が拡大し、感染者数は1日3000人を超える高い水準が続いている。私たちは一貫して、専門家の提言をいただきながら、国民の皆さまの命と暮らしを守るべく対策に、取り組んできた。
 先日の私の会食は、本来大人数での会食を避けることを要請する立場にありながら、深く反省をしている。おわび申し上げる。
 国民には静かな年末年始を過ごしていただきたい。できる限り会合は控え、感染拡大を食い止めることができるよう協力をお願いする。
 本日、2700億円の追加予算で、コロナ患者を受け入れている病院を緊急支援することを決定した。全国で2万8000床を対象に、1床あたり最大1500万円の補助を緊急配布する。
 専門家から指摘されているのが飲食の場の感染リスクだ。最も効果的と言われるのが、飲食店の時間短縮。支援額を最大1カ月60万円から倍の120万円にしている。
 飲食店の時短については、給付金と罰則をセットでより実効的な措置がとれるよう、特別措置法の改正を検討する。罰則は専門家による分科会で、規制強化すべきだという意見と、私権制限に慎重な意見がある。今後分科会において早急に検討を進めていく。
 水際対策も強化する。英国におけるウイルスの変異株の問題について、英国に滞在歴のある外国人の入国拒否などの措置を強化した。南アフリカに滞在歴のある外国人も、同様に入国拒否の対象と決定した。
 感染対策の決め手はワクチン。来年2月には治験データがまとまる予定で、安全性、有効性を最優先に審査を行った上で、必要な人にできるだけ早く、接種を開始できるよう作業を進める。
 観光支援事業「GoTo(トラベル)」は、のべ7000万人が利用し、感染が判明したのは340人。年末年始に集中的な対策をとるため、全国でいったん停止する。私自身、新型コロナ対策について説明が十分ではなかった面があった。今後、丁寧なコミュニケーションに努めたい。
【質疑応答】
 記者(幹事社・TBS)新型コロナの感染拡大が止まらない理由は。特措法改正にどう臨むか。
 首相 特措法は分科会の中で早急に議論を進めてもらいたい。飲食が一番の要因であり、政府とすれば時間短縮と給付金、罰則をセットにすれば、より実効性が出るとの思いだ。
 政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長 東京と埼玉、千葉、神奈川の1都3県で、感染例の割合が全国の5割程度になっている。首都圏の感染が早く下方に転じないと、全国の感染が止まることは難しい。
 記者(幹事社・毎日新聞)安倍晋三前首相が桜を見る会前日の夕食会での費用補(ほてん)について国会で説明したが、説明責任は果たされたか。首相自身も国会で誤った答弁を繰り返したが、どう対応するか。吉川貴盛・元農相の現金授受疑惑に関して、説明責任を促す考えは。
 首相 安倍氏の説明が事実と異なっていたことは、非常に重く受けとめている。私自身、官房長官としての国会答弁が事実と異なることになったことは大変申し訳なく、改めておわびを申し上げる。国会が始まるといろいろな機会があり、丁寧に説明したい。吉川氏について、捜査機関の活動内容を承知しておらず、答えることは控えたい。政治家自ら襟を正し、説明責任を果たすべきだ。
 記者(フジテレビ)飲食店などの営業時間短縮の前倒しについての考えは。緊急事態宣言を全国一律でなく1都3県に出す可能性は。
 首相 時間短縮は、政府から知事にも要請をしている。ただ権限は都道府県にある。緊急事態宣言については、尾身会長からも、今は宣言を出すような状況ではないという発言があったと承知している。
 記者(共同通信) 新型コロナのワクチンの国内接種の普及は、首相の衆院解散判断に影響するか。
 首相 来秋までの衆院解散はもう時間が決まっている。仮定については答えるべきでなく、感染拡大防止を全力でやる。
 記者(ラジオ日本) ワクチンの今後の接種計画は。
 首相 医療従事者、高齢者、基礎疾患を有する人や高齢者施設で従事している人を優先して、全額国負担で接種をしていきたい。すでに官邸に各省庁からチームを作り、承認後にはできるだけ早く接種する体制は作っている。
 記者(テレビ朝日) 改正特措法の成立時期は。スピード成立に向けて法案提出前に野党と協力する考えは。
 首相 コロナ対策の与野党協議会がある。各党の提案をいただきながら進めたい。(成立は)できるだけ早くしたい。
 記者(時事通信) 変異株はほかの国にも広がっている。水際対策をさらに強化する考えは。
 首相 英国、南アフリカのほかでも事案が出ていることは承知している。確認しながら水際対策は早急にやっていきたい。
 記者(米紙ウォールストリート・ジャーナル) 2030年代半ばまでに全ての新車を電動車にすると発表したが、日本自動車工業会(自工会)の豊田章男会長が、急にシフトすると自動車産業のビジネスモデルが崩壊すると懸念を示した。
 首相 自工会は「カーボンニュートラルを政策の柱にしたことは自動車業界にとってありがたい」と述べたと承知している。経済と環境の好循環を生み出す方向で進めていきたい。
 記者(読売新聞) コロナ対策で国民への説明が不十分だった点とは。
 首相 「GoToトラベル」の全国一斉停止は、説明が足りないとか遅すぎると批判をもらった。しっかり説明したい。
 記者(テレビ東京) 緊急事態宣言の発令なしに国民の行動変容は可能か。
 首相 可能だと思う。あらゆる機会に現状を丁寧に説明すれば必ず理解をいただける。
 記者(フリーランス・岩上安身氏) 突然変異のウイルスにワクチンが効かないのでは。ワクチン頼みではなく、全国民へのPCR検査を行うべきでは。
 首相 変異で必ずしもワクチンの効果がなくなるわけではないと承知している。PCR検査は全国、全員の必要性はない。
 記者(朝日新聞) 安倍氏の国会答弁と24日の記者会見で、説明責任は果たされたか。
 首相 記者会見と国会で説明はされてきたのではないか。(国会での説明は)テレビを見ていなかった。これから精査したい。
【25日の首相記者会見の流れ】
 菅首相の冒頭発言後、内閣記者会の幹事2社(各社の持ち回り制)が順に代表質問した。その後、司会の山田真貴子内閣広報官が挙手した記者の中から指名。本紙記者は指名されなかった。幹事社を含め12人が質問し、56分で終了した。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会・尾身茂会長も同席した。 

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