<国吉好弘の埼たまNOW>J1浦和、J2大宮 失望の2020年 再構築を

2020年12月27日 07時00分

ホーム最終戦で札幌に敗れ、セレモニーで横断幕を掲げる浦和サポーター=埼玉スタジアムで

 J1、J2とも2020年シーズンを終え、浦和レッズはJ1で10位、大宮アルディージャはJ2で15位に終わった。レッズは「アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)出場圏内の3位以内」、アルディージャは「J1昇格」という目標には大きく届かなかった。新型コロナウイルスの影響でイレギュラーなハードスケジュールをこなさなければならなかったのはどのチームも同じ。言い訳にはならない。
 レッズは大槻毅監督の下で「主導権を握り、攻撃的なプレー」を目指し、チームに攻守の切り替えの早さ、球際の強さ、守備への献身を求めて戦ったが、安定したパフォーマンスを発揮できなかった。好調な時期もあったが、大量失点、連敗を繰り返し、特に終盤は覇気がないと言われても仕方がなかった。悪い流れを断ち切るリーダーが不在で、チームとして戦う姿勢も物足りなかった。
 既に来季に向け、今季J2で徳島ヴォルティスを優勝させてJ1昇格に導いたスペイン人のリカルド・ロドリゲス監督の就任が発表された。しっかりパスをつなぎ攻撃的なスタイルを目指す指揮官は、レッズが今季前に掲げた「3年計画」の方向性に合致する。選手獲得も、ロドリゲス監督が徳島で成長させたMF渡井理己など数人の名前が挙がっている。いずれも技術が高い選手で、同監督のリクエストが反映され、徳島で実践していたサッカーを貫くと思われる。
 さらに最新情報ではヴィッセル神戸の西大伍の獲得が挙がった。実現すれば立て直しに大きな意味がある。西は右サイドバック、あるいはMFとしてもプレーできる総合力の高い選手で、何より冷静でありながら戦う姿勢を前面に出す強いメンタルを持ち、リーダーシップも発揮できる。経験豊富なベテランだ。
 ここのところレッズが獲得した選手を見ると、能力は高いが苦しい時に力を発揮できないタイプが多かった。その点、西はピッチ内のムードを変える存在として期待できる。本稿執筆時点では決定ではないが、少なくとも強化担当が西のような選手に目を向けていることは悪くない。クラブがホームページに掲載した総括でも「リーダーの不在」を挙げ、改善する姿勢がうかがえる。
 「3年計画」で一新したばかりの強化体制は、1年目の結果だけで変えるべきではない。現場の監督、選手は変わっても強化の中枢はある程度のスパンでチームづくりを考えなければならないからだ。もちろん、2年目は少なくとも上昇の兆しを見せなければならず、重要だ。
 一方、アルディージャは昨季3位、J1復帰が唯一無二の目標だったにもかかわらず15位では失望以外の何物でもない。けが人が続出した事情はあるが、許される結果ではないだろう。
 そもそも今季のチーム編成は、ファンマ、シモヴィッチという大型ストライカーを放出し、獲得したハスキッチは期待外れ。得点力不足が露呈してからファンマらと同タイプで盛りを過ぎたイバを獲得しても、何の解決にもならなかった。ディフェンスラインも中心となる存在がおらず、手堅い守備の構築が持ち味の高木琢也監督を悩ませた。
 このままズルズルとJ2の中位に定着してしまうことへの危機感を強めなければならない。来季に向けてディフェンスリーダーの獲得が必要だろう。新たな指揮官には、大分トリニータの岩瀬健ヘッドコーチの就任が決まった。 (サッカージャーナリスト)

関連キーワード


おすすめ情報