エチオピア政府軍「制圧」宣言後も戦闘続く 北部ティグレ州率いるTPLFは徹底抗戦

2020年12月27日 19時52分
 【カイロ=蜘手美鶴】エチオピア連邦政府軍と北部ティグレ州政府を率いるティグレ人民解放戦線(TPLF)の紛争は、連邦政府軍が11月末に州都メケレの「制圧」を宣言したものの、TPLFとの間で散発的に戦闘が続いている。TPLFの指導者らは逃亡中で、再び戦闘が激化する可能性もある。

◆逃走したTPLF指導者の情報に報奨金2700万円

 ロイター通信などによると、連邦政府軍は逃走中のTPLFの指導者に関する情報に、報償金26万ドル(約2700万円)を支払うと表明している。制圧宣言後もTPLFは徹底抗戦の構えを崩しておらず、指導者は山に潜伏して指示を出し、ゲリラ戦で政府軍に対抗しているもようだ。
 一方、隣国スーダンは、軍事衝突が始まった11月初旬以降、エチオピア国境に兵士約6000人を配置して警備を強化している。16日にはパトロール中のスーダン兵数人がエチオピア兵の襲撃を受けて死亡する事案が発生し、両国関係が緊張。スーダン軍は25日、警備強化のため戦車などを増派しており、地域紛争に拡大する恐れもある。

◆衝突以降、95万人が住居失い、国外脱出5万人

 国連によると、11月初旬の軍事衝突以降、約95万人が住居を失い、約5万人が国外に脱出。数千人が死亡したという。
 紛争の背景には、長年政権を握ってきたTPLFら少数民族ティグレ人と、2018年に政権を握ったアビー首相ら最大民族オロモ人の対立がある。TPLFは今年8月の総選挙で政権奪還を狙っていたが、アビー氏は新型コロナウイルスを理由に選挙を延期。反発したTPLFがティグレ州で選挙を強行し、軍事衝突へと発展した。

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