政府の「休校」助成金、働く親に届かず 勤務先申請せず予算執行4分の1どまり

2020年12月28日 05時50分
 
 新型コロナウイルスの感染拡大で子どもが学校を休む際に働く親も休みを取りやすくする政府の助成金制度が十分に活用されない状況にある。3月の制度創設以降、予算執行率は4分の1に満たない。助成を申請する勤務先の企業などが業務の停滞などを嫌って利用をためらう例が相次いでいるからだ。(木谷孝洋)

◆休校などで従業員休暇…政府が賃金全額助成

 政府の「小学校休業等対応助成金」は、2月末に当時の安倍晋三首相が一斉休校を要請した際、収入が減る保護者に「しっかりと手当てする」と表明し、政府が設けた。企業などが従業員に通常の年次有給休暇とは別に、特別の有給休暇を取得させた場合、賃金の全額(現行で日額上限1万5000円)を助成する。
 小学校の一斉休校時だけでなく、幼稚園・保育園の登園自粛要請に応じたり、疑いを含め子どもが新型コロナに感染して休んだりした時も利用は可能。通常の欠勤や有給休暇として処理した休みにも、さかのぼって適用できる。

◆補正予算で1719億円確保も給付は407億円

 厚生労働省は2020年度補正予算(1次、2次)でフリーランスら個人事業主向けの支援金と合わせ、計1719億円を確保した。だが給付は今月18日時点で407億円。執行率は24%にとどまる。
 経営者の中には「出勤している人と不公平になる」「休まれると業務が回らない」と、申請に二の足を踏むケースが多いという。全国の労働局には「制度を利用できない」との相談が約1500件寄せられている。

◆個人でも申請できる制度求めネット署名

 支援を受けられなかった親たちは、個人でも申請できる制度に変えるよう求める署名をインターネット上などで1500筆分集め、今月17日に厚労省に提出した。だが、厚労省側は個人申請について「仕事を勝手に休んで助成を受けることも可能になる。あくまで事業者に納得して利用してもらうことが必要」と、制度変更には消極的だ。

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