<各駅停車>ボランティアの心
2020年12月28日 07時00分
東日本大震災の被災地にクリスマスカードを送る運動が今も続けられており、今年も世界中から数万枚のメッセージが届いた。
一部の展示が始まった福島市でのセレモニーに参加してきたプロジェクト代表の田中拓男・中央大名誉教授は「会場に桑山さんの元気な姿がないのは、さびしかった」と話した。
桑山静子さんは毎年、川越市の中学生らから被災地へのメッセージを集め、田中さんのプロジェクトに合流していたが、七月に八十五歳で亡くなった。
「経済的な理由で被災地の子どもが進学をあきらめないように」と、バザーの収益金を本紙に寄託もしてきた。持病を抱え、通院しながらのボランティア活動。何が桑山さんにそこまでさせるのか。一度じっくりお聞きしたいと思っていたが、かなわぬことになってしまった。 (中里宏)
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