サイクルトレインに活路 鹿島臨海鉄道、周辺自治体と 新たな需要拡大に体験会

2020年12月28日 07時18分

自転車ごと列車に乗り込むモニター参加者=水戸駅で

 人口減などで全国的にローカル鉄道の経営環境は厳しさを増し、新型コロナウイルスが追い打ちを掛けている。水戸駅と鹿島神宮駅(鹿嶋市)を結ぶ鹿島臨海鉄道大洗鹿島線も同様で、利用者はピーク時の六割ほどだ。そんな現状を打破しようと、観光レジャーで注目されるサイクリングを活用し新規利用者を増やすため、列車に自転車を持ち込める「サイクルトレイン」の導入が検討されている。 (松村真一郎)

■北浦沿い

北浦沿いを自転車で走るモニター参加者=行方市で

 導入に向けて、実証実験が五日にあった。サイクリング経験者十四人が水戸駅に集まり、自転車とともに専用の貸し切り列車に乗り込み、約一時間かけて、長者ケ浜潮騒はまなす公園前駅(鹿嶋市)に移動した。
 冷たい雨が降る中、駅から出発して北浦沿いを走り、荒野台駅(同市)までの約三十二キロのサイクリングを楽しんだ。再び列車に乗り、水戸駅に戻った。
 参加者の一人で、県内でサイクリングガイドなどを担う「いばらきサイクリングサポートライダー」の横田喜一郎さん(62)は「北浦沿いは景色もいいし、車も少なくて走りやすい。できることから取り組みを進めてもらい、サイクルトレインを実現してほしい」と評価した。

■全国50超

サイクルトレインの実証実験をした鹿島臨海鉄道大洗鹿島線=水戸駅で

 今回の実証実験は、鹿島臨海鉄道と沿線自治体や県でつくる「大洗鹿島線を育てる沿線市町会議」が主催。会議によると、全国で現在、五十超の鉄道会社がサイクルトレインを取り入れている。全国で導入されてきた背景の一つには、鉄道利用者の減少に歯止めを掛けたいという狙いがある。
 県内では、関東鉄道(土浦市)が二〇〇三年から採用。関東鉄道によると、竜ケ崎線の全線と常総線の一部区間で、観光や日常生活で使える。沿線に高校が多い竜ケ崎線では、高校生を中心に年間約千二百人の利用者がいる。

■追い風に

 大洗鹿島線の利用者は沿線の人口減少に伴い、一九九二年度の約三百五十九万人をピークに、昨年度は二百五万人まで激減した。
 今年は新型コロナウイルスの影響で、県内で最多の海水浴客が訪れる大洗町の海水浴場が閉鎖されるなど、観光にも打撃があり、さらなる利用者の減少が見込まれるという。
 そうした中で目を付けたのが、サイクリングだった。筑波山や霞ケ浦周辺を巡る自転車道「つくば霞ケ浦りんりんロード」が昨年十一月、国のナショナルサイクルルートに指定されたことも追い風にする。北浦沿いも、霞ケ浦周辺のおすすめコースになっている。
 沿線市町会議事務局長を務める大洗町まちづくり推進課の渡辺澄人課長は「新たな需要拡大のため、乗りやすさなどを鉄道会社と考えていきたい」と話した。

関連キーワード


おすすめ情報

茨城の新着

記事一覧