持続化給付金、50%超の再委託は容認のまま 経産省がルール見直し案

2020年12月28日 20時00分
 国の持続化給付金事業で再委託や外注が繰り返された問題で、経済産業省が25日に示した委託ルールの見直し案では業務の受託事業者が別の事業者に再委託をする場合、委託額の50%を超えることを禁じなかった。事実上の事業の「丸投げ」容認で、再委託・外注が繰り返されることへの厳しい規制も見送られた。経産省のルールの運用次第では、今回と同様の問題が再び起こる余地が残った。(桐山純平、大島宏一郎)

◆事業「丸投げ」に抜け穴

 給付金事業では、国から受注した一般社団法人サービスデザイン推進協議会(サ協)から電通を通じて業務の再委託・外注が繰り返された。この多重下請け構造で「丸投げ」や「(税金の)中抜き」が発生しているとの疑念が生じ、ルールの見直しにつながった。
 「中抜き」批判には、別の企業などに事業を外注しても利益に算入できる「経産省ルール」を撤廃することで対応する。事業者にとって今後は外注に出すうまみが減る。また、情報開示でも新ルールが示された。サ協や電通は本紙の取材に「(新ルールに)適切に対応する」などと回答した。
 だが、「丸投げ」では経産省は厳しい規制を設けなかった。企画立案など重要業務の再委託は新たに禁じるが、事業者が明確な理由を示せば従来の「50%超の再委託」は可能だ。
 環境省など4省は50%超の再委託を以前から禁止している。問題となったのに見直しをしない理由を、経産省の担当者は「一律で線引きするのは難しい」と説明。「事例ごとに確認する」として、サ協から電通のように100%近い再委託を認める余地を残した。
 外注が繰り返される下請け構造にも直接メスは入らなかった。給付金事業では、電通を軸に外注が重ねられたが、外注先を選ぶ際、各社は価格の相見積もりを取らず支出を抑えようとしなかった。今後はグループ企業だからという理由のみで再委託・外注はできなくなるが、経産省の判断次第では多重な外注も可能だ。

◆「新ルールの厳格運用が重要」

 今回の見直し案について、会計が専門の青山学院大学の八田進二・名誉教授は一定の評価をした上で「予算の無駄を減らしたり、事業の透明性を確保したりするには新ルールの厳格な運用が重要だ」と指摘する。

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