金融公庫融資緩和も要請 鶏卵大手アキタフーズ元代表、吉川元農相に100万円渡し

2020年12月29日 06時00分

吉川貴盛元農水相

 自民党衆院議員だった吉川貴盛元農相(70)が鶏卵生産大手「アキタフーズ」(広島県福山市)の元代表(87)から農相在任中に現金500万円を受け取ったとされる疑惑で、元代表が吉川氏に、鶏卵業者が政府系の日本政策金融公庫から融資を受けやすくしてもらえるよう頼んでいたことが、関係者への取材で分かった。
 元代表による依頼は、現金授受があったとされる2019年8月とされ、東京地検特捜部は現金が賄賂だった可能性もあるとみている。
 公庫は政府が全額出資する金融機関で、中小企業や農林水産業者らの資金調達を支援。農相は監督官庁の大臣として公庫の運営を監督している。
 吉川氏は18年11月~19年8月、元代表から3回にわたり計500万円を受け取った疑いがある。
 関係者によると、吉川氏は19年8月、大臣室で100万円を受領。その際に元代表は、資金繰りの厳しい養鶏業者に対し「公庫のつなぎ融資を受けやすくしてほしい」と求めたという。
 元代表は18年11月、国際機関が示す「アニマルウェルフェア(動物福祉)」に基づいた飼育環境の厳格化案に反対するよう、吉川氏に要望書を提出。同月、東京都内のホテルで現金200万円を渡した疑いが判明している。
 特捜部は25日、衆院議員会館の事務所などを家宅捜索。吉川氏は任意の事情聴取に現金を受け取ったことを認めつつ、賄賂性を否定。元代表は「業界のためだった」と説明しているという。

◆農水省幹部らと元代表30回面会

 アキタフーズの元代表は、吉川貴盛元農相ら政治家との関係を深める1方、農林水産省の官僚らとの面会も重ねていた。関係者によると、2018~19年だけでも、農水官僚との面会は約30回に上る。
 関係者によると、元代表は農水省をたびたび訪れ、生産局長や同局の部長級幹部、課長らと面会。複数の幹部と同時に会うこともあったという。
 ある農水省幹部は、本紙の取材に元代表と面会したことを認め「鶏卵業界の一般的なことについて意見交換した」と明かす。
 東京地検特捜部は、複数の幹部職員らを任意で事情聴取。元代表が鶏卵業界に有利な政策を実現しようと、官僚にも接触していたとみている。

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