新型コロナの自宅療養が急増、2ヵ月で13倍に 経験者は「悪化したら…」の不安

2020年12月30日 06時00分
 新型コロナウイルスの感染者が増え続け、自宅療養をする人が今月下旬までの約2カ月間で、13倍近くに増えている。厚生労働省によると、23日時点の全国の自宅療養者は9524人で、1万人の大台が迫る。(原田遼)
 愛知県在住の30代男性会社員は、38度の発熱があったため今月4日に検査をし、陽性と判明した。保健所から宿泊療養を勧められたが、「一人暮らしでうつす人もいない。宿泊準備も面倒」と自宅療養を選んだ。

愛知県の男性が自宅療養中にネット通販で取り寄せた食事=本人提供

 インターネットで食材を取り寄せ、鍋やうどんを作って食べた。当初は保健所から毎日電話があったが、症状が落ち着いてからは2日に1回になった。発熱やせきなどの症状がぶり返すこともあり、「いざという時の不安はあった」と話す。
 会社から「療養するように」と言われたが、体調のよい日はリモートで仕事をこなした。周りからは「気にしないように」とも声を掛けられたが、自分の感染で職場の消毒が必要になったり、濃厚接触者の同僚が自宅待機になったりしたことを気に病んだ。
 12日に療養を終え、「重症化しなければ問題ないと思っていた。認識が甘く、思った以上に周りに迷惑をかけた」と反省している。感染前は知人と会食する機会が多かったが、今後は気を付けるつもりだ。年末に向けて気が緩みがちな同世代に対し、「自分が感染したらどのような影響があるかを考えて行動してほしい」と訴えた。
 宮崎県在住の20代女性は、18日まで自宅療養をした。理由は「ペットの面倒をみるため」だ。感染当初は熱があって体もだるく、医師から入院を勧められたが、断った。
 知人が玄関先に食事を届けてくれ、日中はゲームなどをして過ごした。「症状が悪化した時のことは多少は不安だった」。だが、ペットを置いて入院することもできず、「毎日体調をチェックしてくれる保健師の方には感謝している」と話した。

◆自宅療養が増えると保健所の負担に

 新型コロナ患者用の病床の確保が急務となる一方で、厚生労働省は10月、軽症・無症状者は基礎疾患がある人らを除いて原則、看護師が常駐する宿泊施設で療養させることにした。
 自宅療養は育児などの事情を考慮して自治体が判断するとしている。11月からは、ホテルなどが用意できない場合には、高齢者も自宅療養が認められるようになった。ただし厚労省は「自宅療養者が増えると、健康観察をする保健所の負担を増やしかねない」と警戒する。
 4月には埼玉県で、自宅療養中の男性2人が亡くなった。自宅療養者には保健所から定期的に健康観察の電話がくるが、容体が悪化したら、療養者自らがただちに24時間対応の窓口に電話をする必要がある。
 軽症者は発症から10日たち、症状が軽くなって3日たてば療養が解除される。無症状者は検体採取から10日で療養解除となる。

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