「予想外」のカキ大量付着に対策も手探り 五輪会場の消波装置めぐり都が困惑

2020年12月31日 06時00分
 「完全に予想外だった」。東京五輪・パラリンピックのボート・カヌー会場でのカキの大量発生という異常事態に、東京都の関係者は戸惑いを隠せない。都の担当部署によると、同型の消波装置は、海水のボートレース場などでも導入実績があるが、被害が確認されたことはなかった。

東京五輪・パラリンピックの会場となる「海の森水上競技場」。カキが付着した「消波装置」は取り外されている

 ただ専門家によると、海中の構造物で、カキなどの付着が問題になる例は珍しくない。沖合養殖事業などで付着生物の対策に取り組んでいる日本水産(東京都港区)の鶴岡比呂志部長は、今回の装置について「編み目になっていて、いかにもカキが付きやすそう」と指摘。付着するかどうかは「塩分濃度などの環境要因が大きく影響する」といい、競技場の水域が、カキの生息に適していた可能性があるという。
 今回、装置に付着していたカキの種類は、生食のほか鍋やフライの材料として一般的に流通するマガキ。日本全国の海岸線などに多く生息する。除去したカキは計14トンにも達したが、都は衛生面も考慮し、廃棄物として焼却処分にした。
 都は対策として、特殊塗料や海水の電気分解による付着防止策など複数の案を検討しているが、効果やコストなど課題も多く、現時点では絞り込めていない。カキが日当たりのいい南向きの装置に集中していたことから、日光を遮る案も浮上しているという。
 都の担当者は「前例のない事態で、検討も手探り。いいアイデアがあれば積極的に取り入れ、できるだけ安く、効果が見込める方法を探っていきたい」としている。(岡本太)

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