<新型コロナ>DV被害深刻化を懸念 あなたのせいではないと伝えて 豊島の支援団体・吉祥さんに聞く

2020年12月31日 07時06分

年末年始に向けて、DV被害の増加や深刻化を懸念する吉祥真佐緒さん=豊島区で

 新型コロナウイルスの影響で収入が減る人が増える中、外出自粛が求められる年末年始は、家庭内暴力(DV)の増加や深刻化が懸念されている。一般社団法人「エープラス」(豊島区)代表理事の吉祥真佐緒(よしざきまさお)さん(51)に、コロナ禍の現状や課題を聞いた。
 エープラスでは四月ごろからメールなどによる相談が増え、その件数は今年一年を通じて例年よりも四割増えた。他団体と区内で毎月二〜四回開く「なんでも総合相談会」にも参加し、支援に取り組んできた。
 吉祥さんの話では、被害女性は、外出しなくなった夫に一日中あら探しをされて責められたり、収入減を夫に相談しても「やりくりがひどいからだ」と暴力を振るわれたり。家族で過ごす時間が増え、休校などで家事育児の負担も増した。
 年末年始はクリスマスや正月といったイベントが多く、実家とのやりとりも増えるため「おまえの家は常識がない」「俺の親の前で恥をかかせるな」と家族の話題でトラブルが起きやすいという。特に今年は、生活に余裕がない家庭が増え、不安が増している。「DVがあると夫婦で家計を語り合うこともできず、一触即発の家は多い」と指摘する。
 国は、ひとり親世帯に五万円以上の臨時特別給付金を支給するが、コロナ禍で家計が急変し、児童扶養手当の利用者と同水準の収入になった人も対象なのに知られていないとし「積極的に広報を」と訴える。生活保護が必要なときに利用できるよう、年末年始の窓口開設といった対応も求められるという。
 「被害者は一日を生きるので精いっぱい。周囲に被害が気になる人がいたら、あなたのせいではないと根気強く伝えてほしい」と呼び掛ける。
 なんでも総合相談会(つながる総合相談ネットワーク東京主催)のホームページでは、一月の相談会の予定などを案内している。 (中村真暁)

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