「非常に厳しい状況だと認識」菅首相、1都3県の緊急事態宣言の検討を表明

2021年1月4日 13時09分
年頭の記者会見に臨む菅首相=4日、首相官邸で(小平哲章撮影)

年頭の記者会見に臨む菅首相=4日、首相官邸で(小平哲章撮影)

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 菅義偉首相は4日、官邸で年頭記者会見を開き、東京都と埼玉、千葉、神奈川の3県を対象に、新型コロナウイルス特別措置法に基づく緊急事態宣言発令の検討に入ると表明した。1都3県で感染拡大に歯止めがかからず、小池百合子東京都知事らが発令を要望していた。同法に基づき発令されれば、昨年4月に続いて2度目となる。 (上野実輝彦)
 首相は会見で、新型コロナの1日の新規感染者数が3000人を超え、重症者も増えていることから「非常に厳しい状況だと認識している」と説明。特に、1都3県の感染者が全国の半数を占めているとして「感染者が減少せず極めて高い水準だ。状況を深刻にとらえている」と述べた。
 感染源の大部分は飲食関連だとして「飲食の感染リスク低減を実効的なものにする。限定的、集中的に行うことが効果的だ」と述べた。
 新型コロナ特措法についても、「給付金と罰則をセットにして、より実効性のある対策をとる」と述べ、今月中旬からの通常国会に改正案を提出すると明言した。
 観光支援事業「Go To トラベル」を巡っては、全国一時停止措置が11日で期限を迎えることに関して「緊急事態宣言となれば、再開はなかなか難しい」との見解を示した。
 一方、新型コロナのワクチン接種を2月下旬までに開始できるよう準備を進めると強調。東京五輪・パラリンピックに関しては「感染対策を万全なものとし、世界中に希望と勇気をお届けする」として予定通りの開催を目指すとした。
 緊急事態宣言の発令要件は①国民の生命・健康に著しく重大な被害を与える恐れ②全国的かつ急速なまん延により国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れ―の2点。政府の新型コロナ対策本部長の首相が、感染症専門家や弁護士でつくる「基本的対処方針等諮問委員会」の意見を踏まえて最終決定する。
 発令された場合、都道府県知事は特措法に基づき外出自粛の要請や、施設の休業の要請・指示ができる。従わない場合の罰則はないが、知事は事業者名を公表することができる。
 政府は昨年4月7日に緊急事態宣言を発令。当初は7都府県を対象とし、感染拡大を受けて対象を全都道府県に拡大した。感染や医療体制の状況を見ながら段階的に解除し、5月25日に全国で解除された。感染拡大が一定程度収まった一方、休業となった飲食店などを中心に経済的に大きな影響を受けた。

◆首相発言のポイント

 ・新型コロナウイルスの対策強化を図っていきたい。緊急事態宣言の検討に入る。限定的、集中的に行うことが効果的
 ・東京都と首都3県の感染者数は減少せず、極めて高い水準。飲食によるリスクを抑えることが重要
 ・緊急事態宣言となれば「Go To トラベル」の再開は難しい
 ・2月下旬までにワクチンの接種を開始できるよう準備
 ・東京五輪・パラリンピックは実現するとの決意の下、準備を進める

 緊急事態宣言 新型コロナウイルス特別措置法に基づく措置で、2012年の民主党政権下で成立した改正前の旧特措法で発令が可能となった。感染が全国的かつ急速にまん延し、国民生活と経済に甚大な影響を及ぼす恐れがある場合、首相が期間と区域を定めて発令する。対象区域となった都道府県の知事は(1)不要不急の外出自粛要請(2)学校や映画館など施設の使用制限の要請・指示(3)臨時医療施設開設のための土地・建物の使用―などができる。だが、海外で実施されているような強制的な外出禁止や店舗閉鎖などの都市封鎖(ロックダウン)はできない。商業施設や娯楽施設などに営業休止が求められる一方、鉄道やバスなど公共交通機関の運行や、医療機関、食料品店、金融機関の営業など、地域の基本的な経済社会活動は引き続き維持される。

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